イシペディア > 食事学と医療の大辞典 > タブーに挑む!? 21世紀の最強健康管理学 > 心筋梗塞、豆腐で予防…マグネシウムでリスク減

心筋梗塞、豆腐で予防…マグネシウムでリスク減

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

読売新聞 2017年09月08日 

大豆などの食品に含まれるマグネシウムを多く摂取する人は、心筋 梗塞こうそく を発症するリスクが約3割低いとする調査結果を、国立がん研究センター(東京)などがまとめた。
マグネシウムの摂取量と心筋梗塞のリスクの関連が明らかになるのは国内で初めて。

マグネシウム不足は血圧上昇や動脈硬化につながり、心筋梗塞の原因になりうる。1日当たりの摂取量の目安は、成人で男性320~370ミリ・グラム、女性270~290ミリ・グラム。絹ごし豆腐だと150グラムで60~70ミリグラム摂取できる。

調査は、1995年と98年に45~74歳だった男女約8万5000人が対象。
食事の内容や頻度などからマグネシウムの摂取量を推計し、心筋梗塞発症との関連を調べたところ、約15年の追跡期間中、1283人が心筋梗塞を発症した。
対象者を摂取量に応じて五つのグループに分けると、一番多いグループの発症リスクが、一番少ないグループより男性で34%低かった。同様に女性も29%低かった。

分析を担当した国立循環器病研究センター(大阪)の小久保喜弘・予防健診部医長は、「心筋梗塞の予防が期待できるので、マグネシウムの多い魚や豆腐、海藻などを積極的に取り入れた食生活を心がけてほしい」と話している。

【DR大友の視点】

面白い記事が出ましたね。
なぜマグネシウムがいいのかが書いていないので、説明したいと思います。
前にも書きましたが、マグネシウムはインスリン抵抗性と深くかかわっています。
マグネシウムや食物繊維はインスリン抵抗性を改善する作用があります。


インスリン抵抗性があると、糖をからだの中で上手く使えないようになるのでインスリンというホルモンを使う必要が生じます。

インスリンは良く糖尿病で使われる注射薬で聞いたことがある人が多いと思います。
インスリンが血液中に増えてしまうと肥満、老化、がんを促進させることになります。

何故インスリン抵抗性が生じるようになってしまったのでしょうか?


インスリン抵抗性にはマグネシウムの不足が大きく関与しています。
従来、日本人はマグネシウムを豆腐に含まれるニガリ、雑穀から摂取していました。
ところが、食生活の欧米化とともにこうした食材を摂ることが少なくなってきましたのでインスリン抵抗性の方が増えてしまっているのだと思います。

生活習慣病の管理にはカロリーだけでは不十分で、適切な栄養素を摂取することを意識することが必要だと思います。

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

この記事を書いた人

関連するカテゴリ

おすすめ記事

関連する記事はこちら