ナスがデザートなら翌朝は気持ち良く起きれるかもって話
刺激的なナスのデザート
イタリア人はナスをデザートにするんだ!と驚いたのは医大生の夏に南イタリアのアマルフィを旅していた時。
それまでのDr.ピエールの感覚だと、ナスのお料理と言えば味噌田楽か麻婆茄子か焼き浸しみたいな前菜や付け合わせのイメージしかなかったところに、揚げたナスがチョコレートソースたっぷりで供された時はさすがに驚いた。
どうやらナスのデザートには色々なバージョンがあるらしく、ナポリではナスのシロップ煮が出てきたりとナス料理初心者?の10代のDr.ピエールには刺激的すぎた体験。
そして二十年以上ぶりに東京のシチリア料理屋さんで眼前にあらわれたのがナスのデザート。
なんと言っても飾りもジェラートもまるごとナス。
焼きナスを口に入れたときにふわっーと広がるほっこり蒸された優しいナスの実の香りが、冷たいジェラートの中にしっかり閉じ込められたようなデザート。
テクスチャーはなめらかで、甘さはほんのりで後味はまるでナスそのものですが、癖になるまさに晩夏の味。
ナスは食物繊維の塊!
このデザートがよくできているなと思ったのは、ナスは水溶性食物繊維のほかに、お通じを整える不溶性食物繊維も豊富な食物繊維の塊だから。
またナスの皮には特有のポリフェノール、ナスニンが豊富に含まれており、強い抗酸化力が期待できるのもgood。
レストランでお魚からお肉までフルコースを食べて、ワインをたらふく飲んで胃腸や肝臓が疲れているところに、コースを綺麗に締めくくるデザートに出会うことはあまりない…。
そういった観点からはこのナスのデザートは消化機能にも優しくて医食同源的にもなかなかに稀有な存在。
おかげで食後感がすっきりして翌朝も気持ちよく起きれましたよ。
今日の雲を見ていると夏もあと少しだなと思って少し切ない気分になりました。
暑さにコロナに皆様もくれぐれもご自愛くださいね。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ