”世界で最も美味しいカレー”の知られざる薬効
CNNが選んだ「世界で最も美味しい料理」
「世界で最も美味しい料理」の1位にアメリカCNNが選んだマッサマンカレーは、イスラム圏の雰囲気を残すタイ南部の料理。
一般的にタイカレーは短時間でサッと火を通して仕上げますが、マッサマンカレーはじっくりと煮込むのが特徴。
Dr.ピエールの中では上質のレストランでいただくそれは、カレーというよりはゴロゴロと大ぶりの牛すじ肉を使ったシチューのようなイメージ。
カレーペーストの構成も独特。
フレッシュなハーブを多用する代わりに、シナモンをはじめとしてナツメグやクローブ、カルダモンといったインド系の乾燥スパイスがたっぷり。
でも何と言っても主役は漢方では桂皮とも呼ばれるシナモン。
スティックとしてカレーと一緒に煮込まれるだけでなく、食べられないのにお皿にも一緒に盛られるマッサマンカレーの精神的な支柱です。
Dr.ピエールの中でのベストマッサマンカレーはASIAベストレストラン50で常にトップテン入りし続けているバンコクの’ナーム’。
特別に厨房を見学させていただいた時にマッサマンカレーの仕上げに更に炒ったシナモンパウダーを隠し味として加えているとスーシェフのアンちゃんがこっそり教えてくれました。
シナモンの知られざる医食同源効果
実はシナモンには東京アラートの鳴り響いている今だからこそ注目したい薬効があります。
シナモンに含まれるあの独特の香りの素である桂皮アルデヒドは、高い殺菌作用や血管を保護する作用を持ち、オノゲノールというポリフェノールは抗酸化作用の強いことで知られています。
またシナモンはカリウムをたっぷり含むので、塩分が多い人やお野菜が足りない人にはむくみ対策としてもオススメ。
血行が悪かったり活性酸素が大量に生成されることは免疫力の低下につながるので、積極的にシナモンを生活に取り入れていただきたいのです。
もちろんカレーにいれるだけでなく、朝のコーヒーに加えればエキゾチックな1日になることは請け合いです。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ