

火が噴き出すモツ鍋でダイエット
火鍋の老舗でいただく、バンコク流“炊き合わせ”モツ鍋
本来であれば、ゴールデンウィークの時期はバンコクで会議があることが多いです。
オフの楽しみは、現地の先生に案内していただくローカルの名店に行くこと。この火鍋の店はバンコク中央市場近くにあり、まるで築地の場外にある食堂のような雰囲気です。
プロが集まるだけあり、食材やスープの味にも抜かりがありません。
創業70年の老舗であり、三代目の店主には様々なこだわりがあります。その一つが、火を噴く鍋に使う炭火です。
ガスでは匂いがするとして炭火を使用していますが、オープンエアのため外では車が多く、ガソリンの匂いがすることもあります。
お鍋の名前はガオラオモーファイ。
映画のマトリックスに登場しそうな名前ですが、麺抜きのスープと火鍋という意味です。
ニンニク、コリアンダーの根、八角、生姜、オレンジの皮など様々なスパイスとともに牛すじ、腸、レバー(肝臓)、マメ(腎臓)、ハツ(心臓)など12種類のモツを部位ごとに煮込み、最後に鍋で合わせていただく様子は、日本の炊き合わせのように繊細です。
お野菜はほぼ空芯菜のみという潔い構成も特徴的です。
スープは醤油ベースで辛さは全くなく、胃に優しいため、旅の疲れを癒してくれます。
そのため、筆者は二日酔いの時に訪れたくなりますが、女性に話すと「ダイエットに効きそうだから行きたい」と言われることが多いです。
モツと空芯菜が叶える、美味しくて優しいダイエット鍋
ここで、モツ鍋がダイエットに良いのかについて考察。
モツはカロリーが低いため、ヘルシーな食材とされています。実際、カルビと比較すると約半分のカロリーです。
しかし、私の見解では、モツがホルモンの働きを高めることがダイエットにつながっているのではないかと考えています。
モツには、甲状腺をサポートし代謝を高めるビタミンAや疲労回復に良いビタミンB群、さらに鉄分や鉄分、亜鉛などのミネラルも多く含まれており、ホルモンの働きを助けてくれる可能性があります。
そこに最強のアブラナ科野菜である空芯菜が加わることで、腸内環境にも良い、理想的なダイエット鍋になると考えられます。日本のモツ鍋にもキャベツが多く使われていることから、モツとアブラナ科野菜の組み合わせは理にかなっていると言えるでしょう。
今年はまだ訪問できていませんが、近いうちに再訪したい名店です。
店名:เฮ้งชุนเส็ง ก๋วยเตี๋ยวเนื้อตุ๋นหม้อไฟ(ヘンチュンセン)
住所:133 Sunthon Kosa Rd, Khwaeng Khlong Toei, Khlong Toei, Bangkok 10110
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ