牛カツ食べれば綺麗になるか頭が良くなるかの二択だよという話
最強の美容食、赤身牛肉
牛カツを知ったのは研修医の頃。
激務のわりには薄給だったDr.ピエールの唯一の贅沢はバイトに出かける前に新橋にある牛カツおか田さんで食べる激レア牛カツのランチでした。
日本に伝わったカツレツの源流となるお料理は「コトレッタ」というイタリア料理。
コトレッタは、日本のカツレツのようにパン粉をつけてたっぷりの油で揚げるというものではなく、スライスした仔牛肉をフライパンに少量の油で炒め焼きする料理。
日本にカツレツが伝わった当初は、牛肉が主流だったようですが、戦争下に滋養が高い牛肉は軍隊の食料として優先され、庶民は手に入れづらかったという事から豚肉がメインに変わっていったと考えられます。
今回はだいぶ贅沢に日本を代表する名店で牛カツを頂きました。
徳島の牛を使った身質が柔らかくて、食感は驚くほどサックサク、それでいて油を全く感じさせない余韻が美しいもの。
ビーフカツレツは一般的に、欧米では「薄切り」「衣薄め」で日本では「厚切り」「レア」ですが、元麻布かんだでいただいた牛カツは両方の美点が余すことなく含まれている新食感の牛カツ。
そこに合わせるのは大将におすすめいただいた極上のジュヴレ・シャンベルタン村の赤ワイン。
特級畑のシャルム・シャンベルタンの熟成したワインからは、土やスパイスの豊潤な香りに混じって鉄っぽさが感じられるのが特徴。
鉄っぽさを感じさせる赤身肉のきめ細やかな肉質と相まって素晴らしいマリアージュを魅せてくれました。
鉄は脳の発達に不可欠なミネラル
赤身牛肉は、美肌づくりに必要な栄養素である「タンパク質」「鉄」「ビタミンB」の三つをバランスよく豊富に含む、最強の美容食。
特に牛肉に含まれている鉄分はヘム鉄といって吸収率が非常に高く、貧血の予防に効果的です。
鉄は脳の発達に不可欠なミネラルなので、記憶力や集中力を高めるとともに、 情緒の安定にもつながります。
そんなわけで気のせいかDr.ピエールも今日は心なしかいつもより頭がシャープな気がします。
試験を控えている学生さんは“敵に勝つ”ために牛カツを食べてもらうのも良いかもですぞ。
かんだ
東京都港区元麻布3丁目6−34
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ