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スパイス一つでポルトガルに飛べるという話

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睡眠を深める”のびる”

ドクターになる前はバックパッカーだった。
というよりは世界中を旅したくてドクターになったといってもいい。

世界を旅する醍醐味はやはり風土であり、人であり、文化だと思う。
もちろん数日の滞在で何が分かるという向きもあろうが、土地のものを食べ、人と語らい、酒を飲めば色々なものが見えてくると信じている。

その一つがクミンコリアンダーなどのスパイスが振りかけられたトマト炒め。
アフリカ大陸という新しい世界の扉が開いたことを今でもこれらの香りを嗅ぐだけで思い出す。
まだ通貨がユーロに統一される前にスペインからポルトガルに鈍行列車で旅していた時のこと。

その時の香りを再現したくて作ったのが、豚肉アサリとトマト炒め。
どうにか現地で感じた野性味を出したくて使ったのがのびる(野蒜)
ニンニクを古名で、蒜(ひる)といい、野生する蒜という意味からノビルになったそう。
現地では
wildgarlicとされ料理に使われている。
日本ではのびるは摘み草料理として酢味噌和えや天ぷらで使われることも多いですが、古くは気を鎮めて睡眠を深くする薬草としても使われていたみたい

異国に飛べるスパイスとは??

このお料理のポイントはデュカという北アフリカの代表的スパイス。
アーモンド、ヘーゼルナッツ、アーモンドプードル、コリアンダー、フェンネル、クミン、ペパーミントなどが含まれていて、最後に振りかけるだけでポルトガルに3秒で飛べること請け合い。

まだまだ海外旅行も先になりそうですから、いつものお料理にスパイスを振りかけて異国へ飛んでみませんか?

【材料】
豚肉薄切り : 150g…一口大
のびる : 10本…根部分を軽く潰す
マト : 1個…くし形
ニンニク : 1片…軽く潰す
オイスターソース : 小さじ1
蒸したアサリと蒸し汁 : 適量
、アボカドオイル : 少々
デュカスパイ

【作り方】
① フライパンに油とニンニクを弱火で温める。
② 香りが出たらトマトとのびるの根元部分を炒める。
③ トマトが崩れてきたら一旦全てをお皿に取り出す。
④ 空いたフライパンで豚肉とのびるの茎を炒めて塩を軽くふる。
⑤ 取り出したトマトとのびるをフライパンに戻し、オイスターソースとスープを加えて炒め合わせる。
⑥ お皿に盛り、アサリとデュカスパイスをトッピングする。

 

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
 渋谷セントラルクリニック代表
 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ

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