
桜鯛とレモングラスのサラダがもたらす幸運
友人への想いを込めた一皿
新型コロナウイルスの影響で、日本からタイに帰れなくなってしまった友人の心を癒すため、ピエールのレシピでおもてなしをしました。
彼女の故郷であるタイ東北部、イサーン地方の国民的料理「ラープ」は、肉や魚をたっぷりのハーブと香辛料で和えたサラダ。
ちなみに、ラープという言葉はラオス語で「幸福」や「幸運」を意味するため、現地ではお正月や誕生日などおめでたいときに欠かせない料理です。

桜鯛とレモングラスのマリアージュ
海のない現地では川魚を揚げたり焼いたりして作りますが、今回は、広東料理に倣って丸ごとの蒸し魚にしました。
糖化ストレスを減らして元気になってもらいたいと考えたためです。
今回選んだ桜鯛は、多く含まれる良性のたんぱく質が免疫グロブリンの原料となり、免疫力を高めると言われている、まさに旬の魚です。
また、日本人女性の美白を常に羨ましがっている彼女のために、フレッシュなレモングラスも加えました。レモングラスの代表的な成分であるシトラールには血行を良くする働きがあり、ビタミンCも豊富。ソースにはナンプラーと同量のレモン汁でさらにビタミンを補給し、唐辛子とミントで味を引き締めました。
タイではラープの薬味はエシャロットや万能ネギが一般的とされており、レモングラスとの組み合わせに彼女が大変驚いていたのが印象的でした。
一日も早くこの状況が収まり、バンコクに帰れることを願います。

〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ








