鮎を食べて血糖値を下げる

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天然のサプリメント鮎を骨まで食す

鮎の良さは骨まで美味しく食べられること。
また鮎の子を一年間発酵させたソースで食べれば、身も内臓も美味しくいただけます。

結果として、鮎からは鉄分をはじめリンカルシウムマグネシウムなどのミネラルが他の食材と比べても非常に多く期待できます。

カルシウムは骨粗しょう症を防ぐために必要だと知られていますが、カルシウムを吸収させるためにはビタミンDも同じように大事。

鮎はビタミンDの一日の必要量が、天然で50%、養殖で3倍も摂れる天然のサプリメントともいえる食材。

カルシウム&ビタミンDは糖尿病にもおすすめ

ここまではよく知られた事実ですが、実はカルシウムとビタミンDは骨粗しょう症のためだけでなく、血糖のコントロールのためにも重要。

血糖を下げるインスリンはすい臓から分泌されますが、分泌させる信号となるのがカルシウム。
そのためカルシウムが足りないとインスリンが正常に分泌されなくなって血糖値が高くなってしまうというわけ。

この時にビタミンDも併せて摂ると、お互いに助け合ってさらに糖尿病のリスクが下がるのです。

日本人においてはカルシウムもビタミンDも不足しているので、骨粗しょう症や糖尿病が気になる方は意識して食べてくださいね!

Dr.ピエールにとっても小骨までパリパリと食べられる鮎は有難い存在でした。また来年出会えることを楽しみにしてます。

 糖尿病薬メトホルミンで減少するビタミンB12を補う

メトホルミンは古くからある糖尿病薬ですが、最近その作用が見直されています。 
一つは糖尿病のお薬として、もう一つはアンチエイジングやがん予防の観点から。

糖尿病薬としてはインスリン抵抗性を改善させることにより、合併症の頻度を下げることが期待されます。
インスリン抵抗性糖尿病だけではなく認知症、癌などとも広くかかわっているのでアンチエイジングの分野でも注目されるようになりました。

メトホルミンは老化(エイジング)を引き起こす細胞の全てのプロセス(細胞増殖、炎症、代謝、ストレス反応)に関わっていることが知られています。 

酸化ストレス、炎症の両方を改善することにより寿命、健康寿命を改善する他、抗がん作用(特に乳がん前立腺がん)、認知症・記憶力にも有用

そういった意味でアンチエイジングの世界で大注目のメトホルミンですが、弱点は 葉酸ビタミンB12胆汁を減少させることと複数の論文で取りあげられています。

じつは鮎1尾にはビタミンDだけではなく一日に必要なビタミンB12が含まれているので、その観点からメトホルミンの弱点を補ってくれます。

血糖コントロールに悩んでいる人は是非鮎をお召し上がりください。

詳しい内容はこちら→メトホルミンでビタミンB12不足が生じる!?

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
 渋谷セントラルクリニック代表
 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ 

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