しつこい便秘に悩んだら「さつまいも」 さつまいも
さつまいもは、日本には、1600年代に伝わり江戸時代から栽培が始まりました。
さつまいもの旬は9~12月です。さつまいもの収穫直後(8~11月頃)は甘みが少なく、貯蔵して少し乾燥させることで甘みが増すので、おいしく食べられるのはその2~3か月後の10~1月頃になります。断然冬物の方が人気があります。
さつまいもには糖化酵素があるため、加熱するとでんぷんが酵素により分解して糖にかわるため、消化と吸収を促進し甘みも増す食材です。
栄養素
さつまいもの主成分はでんぷんですが、ビタミンやミネラル分も豊富です。またセルロースやペクチンなどの食物繊維も多量に含有しており、成人病予防にも効果があるとしています。
さつまいもに多く含まれている食物繊維には、便秘解消作用のほか、血液中のコレステロールを低下させ、血糖値をコントロールする働きもあります。これらが動脈硬化や高血圧、糖尿病など成人病に効果的に働きます。
豊富に含まれているβ‐カロテンは、体内でビタミンAとなり、肌荒れを防ぎ、視力の低下を防ぐ効果もあります。β‐カロテンは生体膜を保護し、ガン細胞の増殖を抑制するといわれています。
また、さつまいもにはリンゴの10倍以上のビタミンCが含まれています。ビタミンCには、メラニン色素の沈着を抑え、シミやそばかすを防ぐ美肌効果があるほか、白血球の働きをサポートして免疫力を向上させるので風邪予防にも効果的。通常、ビタミンCは熱に弱く加熱調理に向きませんが、さつまいもに含まれるでんぷんが加熱によって糊化するとビタミンCが壊れにくくなり、加熱料理してもビタミンCを有効に摂取できるのも嬉しいポイントです。
このほか、さつまいもには体内の余分な塩分を体外に排出させ、むくみを解消する効果のあるカリウムが非常に豊富に含まれています。
紫色のさつまいもには、ポリフェノールの一種で高い抗酸化作用のあるアントシアニンも含まれています。
さつまいもの主な栄養成分(可食部100gあたり) 1本(太) 380~420g
・エネルギー・・・132Kcal
・炭水化物・・・31.5g
・たんぱく質・・・1.2g
・食物繊維・・・2.3g
・ビタミンE・・・1.6mg
・ビタミンC・・・29mg
・β‐カロテン・・・23μg
・カリウム・・・470mg
・カルシウム・・・40mg
効能・効果
便秘解消
豊富に含まれる食物繊維の便秘解消効果のほか、さつまいもに含まれるヤラピンという成分に緩下剤効果があり、便通をよくしてくれます。
免疫力の向上
β‐カロテンの働きにより免疫力が高まり、ビタミンCが白血球の働きを助けて免疫力をUPさせるため、風邪予防に効果的です。
むくみ・高血圧予防
カリウムが体内の余分な塩分を排出させるため、手足のむくみ解消や高血圧を予防する効果が期待できます。
アンチエイジング効果
抗酸化作用が高いビタミンEの働きで、体内の活性酸素(老化の原因)の生成を抑制します。紫品種のさつまいもには、抗酸化効果の高いアントシアニンも豊富に含まれます。
東洋医学的側面
・寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
・昇降・収散・潤燥:降(気を降ろす)
・臓腑:脾、腎、胃
・五味:甘(補い滋養する作用)
・毒性:なし
脾臓と腎臓を強くして虚弱体質を改善する
解毒・利尿作用がある
高血圧を予防
便秘解消
気虚・血虚・陰虚体質の人におすすめ
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
さつまいもは、皮の色が鮮やかで色むらのないもの、太さが全体的に均一でふっくらしたものを選びましょう。
保存するときは、10℃~15℃の冷暗所がベストです、光が当たると芽が出てしまうので、段ボール箱に入れたり新聞紙などにくるんでおきましょう。
夏場に保存するときは、1本ずつ新聞紙などでくるみ、その上からビニール袋などをかぶせ、冷蔵庫の野菜室に。
さつまいもは、長時間加熱することで、でんぷんを糖化する酵素が働いて甘みが増します。石焼き芋や蒸かしいもは、さつまいものこの性質を上手に利用した調理法と言えます。
さつまいもの皮にはカルシウムが含まれているので、よく洗って皮ごと調理するのがおすすめです。皮つきで使うときは、水にさらしてアク抜きをします。長く浸けると豊富なビタミンCまで流出してしまうため、浸け時間は3分程度でよいでしょう。
さつまいもと好相性の食材は、ニンジンやバナナ。にんじんはβ‐カロテンたっぷりなので、さつまいもの持つβ‐カロテン量をさらに増し、さつまいものビタミンCやビタミンEの持つアンチエイジング効果をパワーアップさせます。