イシペディア > 食事学と医療の大辞典 > 食材の大事典 > 果物の栄養素分析 > “一日一個で医者いらず”なのはなぜ?「りんご(林檎)」

“一日一個で医者いらず”なのはなぜ?「りんご(林檎)」 りんご

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

昔からりんごは、「一日一個のりんごは医者いらず」と言われるほど健康効果が高い果物です。りんごの旬は10~12月で、秋から冬です。

栄養素

りんごの85%は水分ですが、残りの15%にはビタミンA、ビタミンC、カリウム、ペクチン、ポリフェノール、クエン酸やリンゴ酸など豊富な栄養成分が含まれています。 

クエン酸やリンゴ酸はりんごの酸味のもとです。この酸味には体内に溜まった乳酸を減らし、新陳代謝を良くして疲労回復を促す効果があります。また、炎症を鎮める作用もあるため、胃腸の調子を整える効果も期待できます。

りんごには水溶性食物繊維であるペクチンが豊富に含まれています。ペクチンには腸内の善玉菌を増やし、悪玉コレステロールを増やして大腸がんを抑制する効果があります。また、善玉菌が増えることで腸内環境が改善され便秘の解消にもつながります。

そして、りんごにはプロシアニジンと呼ばれるポリフェノールが含まれており、強力な抗酸化力で活性酸素を抑え、老化やガンの予防に効果があります。また、体内の脂肪の蓄積を抑制し、糖分や脂質の代謝を促すことで肥満予防にも効果があります。

皮付きりんごの主な栄養成分(可食部100gあたり)

カリウム・・・120mg
カロテン・・・27μg
ビタミンC・・・6mg
食物繊維・・・1.9g
カルシウム・・・4mg

効能・効果

虫歯予防:アップルフェロンが歯への虫歯菌の付着を防ぎ歯石除去を促す

高血圧予防:カリウムが体内の余分な塩分を排出しむくみや高血圧を予防する

便秘予防:りんごの皮に多く含まれるペクチンが整腸作用を促し便秘や大腸がんを予防する

ガン予防:りんごの皮に多く含まれるポリフェノールが活性酸素を抑えガンを予防する

東洋医学的側面

・寒熱:涼(穏やかに体の熱を冷ます)
・昇降・収散・潤燥:降(気を降ろす)
・臓腑:脾、胃、心
・五味:甘(補い滋養する作用)・酸(収斂、免疫力を高める作用)
・毒性:なし

消化不良の改善
下痢を止めて便通を良くする
体の余分な熱を取り除き、唾液を出して肺を潤す

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

りんごは寒い時期は暖房のないところで箱に入れたままでも1ヵ月程度保存できます。暖房のあるところや気温が高い時期は、乾燥を防ぐためにポリ袋などに入れて冷蔵庫で保存します。他の果物の熟成を早めるエチレンガスを発生するので保管するときは注意しましょう。

りんごを選ぶときは、おしりまで色づいていて、柄の太いものが良いです。また、テカリが強すぎるものは避けるようにしましょう。

りんごのペクチンやポリフェノールは皮に多く含まれているので、皮ごと食べるのがおすすめです。また、すりおろしりんごはペクチンが早く働き栄養素を吸収しやすいので風邪のときなどにおすすめです。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

関連するカテゴリ

おすすめ記事

関連する記事はこちら