脳ストレスを軽くして快眠を誘う「牛乳」 ぎゅうにゅう
牛乳(普通牛乳)は栄養の宝庫ともいわれ、良質なたんぱく質や、日本人に不足しがちなカルシウムが豊富に含まれています。牛乳など乳製品に含まれるカルシウムは、野菜や小魚などに含まれるカルシウムより吸収が良いため、効率的にカルシウムが補えるのも牛乳の特徴です。
栄養素
牛乳には、良質なたんぱく質が多く含まれるほか、カルシウム、カリウム、鉄、ビタミンA、ビタミンB2などビタミンやミネラルがバランスよく含まれています。
牛乳のたんぱく質成分“カゼイン”は、体内に吸収されると“カゼインホスホペプチド”(CPP)という物質を生成します。カゼインホスホペプチドは、カルシウムなどミネラルと結び付きやすい性質があるため、カルシウムやミネラルの吸収を促進するのです。
また、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)やビタミンKもカルシウムの吸収を促進する働きがあるため、ほかの食材に比べて、牛乳はカルシウムを効率的に補える食品といえます。
牛乳(普通牛乳)の主な栄養成分(100gあたり コップ1/2杯)
・エネルギー……69kcal
・たんぱく質……3.4g
・脂質……3.9g
・炭水化物……5.0g
・カルシウム……114㎎
・リン……96㎎
・鉄……微量
・ナトリウム……42㎎
・カリウム……155㎎
・ビタミンA……39mg
・ビタミンB1……0.04㎎
・ビタミンB2……0.15㎎
・ビタミンK……2㎍
効能・効果
骨粗しょう症の予防
骨粗しょう症は、骨の量が減って骨密度が低くなる骨の老化現象です。牛乳には骨を作るカルシウムとその代謝を促すビタミンKなどが多く含まれており、骨粗しょう症の予防に効果的です。
胃粘膜の保護
体がストレスを感じると胃酸の分泌と胃を守る胃粘膜とのバランスが崩れ、胃が荒れたり胃の働きが低下したりします。牛乳に含まれる乳脂肪分には、胃粘膜を保護したり胃酸を中和したりする働きがあるため、ストレスなどによる胃のダメージを緩和します。
風邪やインフルエンザの予防
牛乳に含まれるビタミンAには、口腔や気管、消化器官などの粘膜の働きを高める作用があります。牛乳を多く摂ることで、風邪やインフルエンザ、口内炎などの予防につながります。
快眠を促す効果
牛乳に含まれるアミノ酸の一種トリプトファンには脳のストレスを軽減し、快眠を促すホルモン“セロトニン”の分泌を促進する作用があります。情緒を安定させるとともに寝つきを良くする効果が期待できます。
東洋医学的側面
・寒熱:涼(穏やかに体の熱を冷ます)
・昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)・降(気を降ろす)
・臓腑:胃
・五味:甘(補い滋養する作用)
・毒性:無毒
胃腸に潤いを与え丈夫にします
気道を潤し、のどの渇きを取り、乾いた咳を鎮めます
加齢や体調不良などによる便秘を改善します
血を補い、体と心のエネルギーを活発にします
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
胃痛や胃もたれなど胃に不調がある場合、牛乳を温め、ゆっくりと噛むようにして飲むと胃粘膜の保護に効果的です。
牛乳は温めて飲むと胃への負担が少なく、体をやさしく温め、寝つきが良くなります。
牛乳をそのまま飲むだけでなく、シチューやスープなどの材料に加えるなど工夫して摂ると良いでしょう。
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり、下痢をしたりする人は「乳糖(ラクトース)不耐症」という消化酵素の不足や「牛乳アレルギー」の場合があります。温めてホットミルクにしたり、少量ずつ飲むことで改善する場合もありますが、無理して飲まず医師や薬剤師に相談しましょう。
冷蔵庫で保存、開封後は早めに飲みきってください。