

大航海時代の名残をタイの田舎町で見つけた
大航海時代の名残をタイの田舎町で見つけた
すぐそこはマレーシアの国境がすぐそこに迫るというタイ南部のトランへ。
この旅の目的は有名なオーガニック調味料会社を経営するオシャレなオーナーにお会いするため。
その方は、フランスの名門料理学校・ル・コルドン・ブルーで食を学び、かつてはバンコクでグラフィックデザイナーとして活躍されていたという、まさに食と美の両面を極めた方。
オーガニック農園を見学した後は、町の名店でいただいたペナン料理が、この旅を思いがけず歴史の香りに染めてくれることになります。
季節のハーブが香る、地中海的カレー
Dr.ピエールが食べていて一番気になったのはゲーン・ソム・クン(Kaeng Som Kung)という海老とチャオムというハーブを入れたオムレツのカレー。
チャオムに限らず様々な季節のハーブを自在に取り入れたオムレツのようなトルティージャのような卵料理がスープに浮かんでいるのが面白い。
このお料理はナムプラー、ターメリック(ウコン)、バジルが使われていますが、この構成は地中海料理を彷彿とさせませんか。
ちなみに今回使用されているナムプラーは南イタリアのコラトゥーラに近しい魚醤です。
歴史を紐解いてみればトランという街は大航海時代にマラッカ海峡の中継地として栄えた町のひとつ。
スペインやポルトガルとの交易も盛んで地中海料理のエッセンスがあるのは不思議なことではないのかもしれません。
遠い異国のエッセンスが、時を越えて一杯のスープに染み込み、現代の田舎町の食卓にまで生きている。
トランの周りには手つかずの美しい島があるようなので、また近いうちにゆっくりと訪れてみたいと思います。
Richy Trang
83/13-14 Rasada Road, Trang 92000 Thailand
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ