フカヒレにはなぜ黄金のスープが似合うのか?
フカヒレは不老不死の妙薬?
なぜアジア人はフカヒレを高いのに食べるの?とアメリカ人の友人に聞かれたことがある。
フカヒレ自体は無味に近いので食べても特に美味しいわけではないことを考えると、中国の皇帝が不老不死の妙薬と信じていたことが理由かなと曖昧に答えた記憶があります。
今回いただいたお料理に使われていたフカヒレはまるでまるで太い金の糸のよう。
繊維が特に太い立派なフカヒレから繊維と繊維をつなぐゼラチン質をキレイに取り除くために何度も何度も処理するなど人の手がものすごくかかった最高の贅沢な一品。
この高級なフカヒレを活かすも殺すもスープ次第!
数あるスープの中でも極上とされる老鶏や金華ハムで作った”頂湯”と呼ばれるもの。
黄金色で透明感のある深い旨味のスープは、フカヒレの繊維一つ一つにまで染み込んで見事な味わいをかもし出します。
惜しまれつつも終了した漫画「神の雫」ではフカヒレの姿煮にボルドーの赤ワインというマリアージュが披露されていましたが、今回はスープに焦点を合わせてこれまた黄金色のブルゴーニュの白ワイン。
老鶏から出る落ち着いた風味にワインの果実味が華やかさを加え、柔らかな酸味がアクセントとなる最高のマリアージュ。
フカヒレで心も体もアンチエイジング
フカヒレには脳神経を正常に働かせる働きがあるビタミンB6、関節が喜ぶといわれるコンドロイチンも豊富ですが、これだけで不老不死になるとは思えません。
だからといってスープに含まれるアミノ酸やミネラルが理由なら他のお料理でも不老不死になるはず。
結局のところ、Dr.ピエールはフカヒレとはこの美しいお料理を見て、食べて人がウットリすることで長生きできると思ったのではないかなと考えました。
気分の良しあしが不老長寿に関係ないと思われる方もいらっしゃるでしょうが、心と体と生活環境が整ってこそ人は健康に生きられる‼️
実はこれは“生物心理社会モデル”という新しい学説で、話を超要約するならば、“体は心を大事にしてこそ、心は体を大事にしてこそ、また社会的な役割を大事してこそ心と体が健康でいられる“ということ。
運動したり、良い栄養を取ることも大事ですが、Dr.ピエールはアートを愛でたり、人と楽しい会話をすることも負けず劣らずアンチエイジングに重要だと思います。
京、静華
京都府京都市左京区岡崎円勝寺町36−3
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ