心のこもったスープを飲めばα波が出るかも
記憶に残るバンコク路地裏の薬膳スープ
スープって不思議で国の数だけ、いや民族の数だけこだわりがある。
その中でも世界3大美味スープといわれているのはフランスのブイヤベース、中国のフカヒレスープ、そしてタイのトムヤムクン。
日本も含めてそれ以外にも美味しいスープは数あれど、ピエールの記憶に残るスープはバンコクの路地裏にある。
ここでは、御年80歳超えのスープマスターであるおじいちゃんの手によって、毎日10種類以上の薬膳スープがずらり。
使われるのは烏骨鶏や、四川から取り寄せるアミガサタケ、干して栄養分を凝縮させた金針菜など、こだわりの食材たち。
5時間以上じっくり蒸されたスープに癒される
調理法の最大の特徴は、5時間以上をかけてゆっくりとスープを蒸し上げるという点。
じっくりと蒸すことで食材のエキスや栄養分はあますところなくスープに溶け出し、うまみはゆっくりと抽出されて、なんとも滋味深い風味になるのです。
また、沸騰させないことでアクが出にくいことから透き通ったスープになるというのも蒸しスープのメリット。
今では薬膳スープとジャンル分けされていますが、中世から近世にかけてのヨーロッパでは、スープは医者が処方する薬の一種であったことも。
現代でも病気の回復期にスープを飲んだり、災害などの炊き出しで作られたりするのは、栄養価のためだけでなく、スープを飲むと脳波にα波が多量に出現して気持ちがリラックスして、心と身体の癒しをもたらすから。
夏休みだからこそ、手間はかかるけど愛情たっぷりの蒸しスープをぜひ試していただきたいです。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ