グリコーゲンの生合成と分解 ぐりこーげんのせいごうせいとぶんかい
グリコーゲンの生合成と分解とは、必要に応じて単糖のグルコースを貯蔵できる多糖類のグリコーゲンに合成したり、逆に合成したグリコーゲンを分解したりしてすぐに使えるグルコースの状態に戻す働きを言います。
取り込んだグルコースが過剰になると、グルコースは「グリコーゲン」となって、肝臓や筋肉などに蓄えられます。
肝臓に蓄えられるグリコーゲンは、重量の約5%の60~100gほどですが、筋肉には全身の筋肉量の約1%、300g以上のグリコーゲンが貯蔵されます。
肝臓ではグルコースを「グリコーゲンシンターゼ」という酵素でグリコーゲンに合成します。このとき、インスリンがグリコーゲン合成を促進させてくれます。グルコースはそのままの形で貯蔵すると、急激に血糖値を上昇させてしまうため危険ですが、高分子で多糖類のグリコーゲンは血糖値の上昇につながらないために蓄えておくことができるのです。この貯蔵されたグリコーゲンは、血糖値が下がる空腹時などに再び少しずつグルコースに分解されて血糖値を上げて安定させるために消費されます。
グリコーゲンをグルコース状に分解する際に活躍する酵素を「ホスホリラーゼ」といい、この酵素はグルカゴンやアドレナリンによって活性化されます。
一方、筋肉には、グリコーゲンをグルコースに戻す酵素がないため、グルコースそのものは作り出すことができません。筋肉に貯蔵されたグリコーゲンはグルコースに戻らないので、血中にグルコースを供給することができず、血糖値の安定には役立ちません。
筋肉に貯蔵されたグリコーゲンは、筋肉内のエネルギーが不足した時に分解されて、解糖系代謝に供給され、エネルギーとして筋肉内で自家消費されます。