ニキビと不妊症の関係

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ニキビの語源はいくつか候補はあるようですが、この二つがもっともらしい感じがします。

① 朱色を意味する丹(に)キビの実っぽい見た目=ニキビ
② 肉(肌)にできるキビの実=「肉キビ」が変化してニキビ

ニキビは青春の証というぐらいで、誰しもが人生で一度は悩んだことがあると思います。
ほとんどの人が年を取るにつれて良くなっていきますが、中には治りにくい人もいます。
今日は僕にとって思い出深いニキビの患者さんの話をしたいと思います。

生理不順もひどくて体調が悪いから原因を調べて欲しいといらしたぽっちゃりでニキビが目立つ20代の女性。
どうにも疲れて職場に行く気がしない。仕事も休みたくないけど、あまりに体調が悪すぎて職場に行けない自分に自己嫌悪してしまうとのこと。調べてみると男性ホルモンが高くて、血液中のインスリンの値も高い。よく聞くと皮膚科でニキビの治療だけでなく、脱毛もしていたけど効果が出ていなかったようです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を疑って、婦人科を受診していただきましたが、卵巣にもブドウ状の房が確認されました。

多嚢胞性卵巣症候群と言うと婦人科の病気に思えますが、原因はインスリン抵抗性にあります。

つまり糖尿病や肥満が原因と同じで、お食事の改善などの内科的アプローチも重要です。
聞きなれない方もいらっしゃるかとは思いますが、インスリン抵抗性は女性の10%に認められるとの報告もあるのでけっして珍しくはないですよ。

この方が疲れていたのは血糖を下げたり臓器に運んだりするためのホルモンであるインスリンの効きが悪くなっていたためと判明しました。そのため、お食事で摂った血糖をうまく調節できないばかりに、臓器に糖分がうまく運ばれていなかったことと分かったのです。

実は多嚢胞性卵巣症候群は、将来的に心臓・血管系の病気、肥満、糖尿病、高血圧、子宮体癌、乳癌などになる可能性が高いとされています。

インスリン抵抗性の原因は腸内環境と食べるものミネラル不足)にあります。

この方はインスリン抵抗性を改善するために、3ヶ月間糖質を制限して食物繊維をしっかりとるお食事と筋トレを頑張りました。サプリメントも飲んではいましたが、食事やライフスタイルを改善する努力をした結果3ヶ月後にはインスリンの抵抗性も改善していました。それだけではありません。半年後にはずっと欲しいと思っていたお子さんも授かったのです。そうなんです、多嚢胞性卵巣症候群は不妊症の原因になることもあるのですね。ちなみに多嚢胞性卵巣症候群の症状は以下の通りです。ニキビ以外にも症状が当てはまる方は一度調べてみては如何でしょうか

大きくなった卵巣、月経異常(無排卵)
にきび
多毛症
肥満
不妊
男性型薄毛
高脂血症
糖尿病

たかがニキビ、されどニキビですね!

もう少しインスリン抵抗性についてお勉強なさりたい方はインスリン抵抗性について河村先生と何回かに渡って対談をしているのでご覧ください。
今日も最後までお付き合い下さいましてありがとうございました。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

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