通称”腹黒いカレー”の効能とは?
お腹の調子が驚くほど良くなる”腹黒いカレー”
鮮やかな色合いのものが多いタイ料理の中で異彩を放つ黒いスープカレー。
お腹の調子が驚くほど良くなる黒いカレーで”腹黒いカレー”。
決してDr.ピエールが作るから腹黒いわけではありませぬ。
このカレーはタイ北部や東北部での伝統的なお料理で、黒色の正体は、ヤナーンという葉を絞ったタイ版の青汁。
古代から麻疹や発熱、マラリアの治療に使われていたヤナーンの葉はカルシウム、マグネシウム、鉄、βカロテンが豊富。
体内の細胞の保護、修復やデトックス効果が珍重され、その効能を全て上げると脂肪燃焼からアレルギー緩和までなんと68個にも及ぶという、ハーブ界のスーパースターのような存在です。
青汁の知られざる医食同源効果
僕は外来では尿路結石がある人に青汁を取ることをオススメしています。
この青汁にはシュウ酸を減らす効果があるので、シュウ酸が原因で石が出来ている人は騙されたと思ってお試しあれ。
タケノコやほうれん草はそのシュウ酸が出やすいお野菜ですが、このカレーではタケノコを煮る際にヤナーン青汁を使っています。
やはり古代からの知恵の詰まった医食同源料理と言えるとでしょうね。
とはいえ、見た目からの想像通り、この青汁は昔のCM風にいえばマ・ズ・イわけです。
つまりそれだけで飲むと非常に苦くて渋い!
というわけで、タイでは大量のお砂糖を入れて健康ジュースとして飲まれていたりもしますが、健康という観点から言えばそれでは本末転倒。
日本でも苦くない青汁や甘くした青汁ジュースが流行っていますが、たまには本格的に苦い青汁をお家カレーに加えてみると新たな世界が見られるかも知れませんよ。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ