パクチーの根っこの魅力を考察する
葉っぱよりも根っこ
タイでパクチーは葉っぱよりも根っこの方が断然多く料理に使われている。
スープや煮物に入れたり、すり潰してドレッシングにしたり、お肉の下味に使ったり。根っこがあると旨みがグッと増して、爽やかな風味もつくのだ。
パクチーの抗酸化作用
Dr.ピエール的に、根っこの魅力は葉っぱの部分よりも美しい香りと健康への効果が高いことにある。
健康面から見たパクチーは優れた抗酸化作用もあるし、独特な香りには食欲増進や消化器官を活性化させる効果も。
老化を加速させてしまうのが「活性酸素」。活性酸素が過剰に発生すると、カラダの細胞を酸化させ、老化や動脈硬化や糖尿病、癌などの原因になります。
人間の体内には、この活性酸素を防ぐ機能が備わっていますが、ストレスや紫外線、食品添加物の取り過ぎなどから活性酸素が増えすぎてしまうと対応しきれなくなります。
そのため、からだを酸化させてないようにするために、抗酸化作用が強い栄養素を積極的に摂取する必要があるのです。
パクチーには、抗酸化力の強い成分が豊富に含まれているので、からだの老化を防ぐアンチエイジング効果が期待できる優れた食材と言えます。
パクチーの効能・効果には
■精神安定:独特の香りには気持ちを静め、気分をスッキリさせる効果があります。
■口臭予防:パクチーの芳香成分は香水などにも利用されており、口臭を予防します。
■消化促進:胃腸の働きを改善させ、消化吸収を促進します。
■免疫力向上:β–カロテンを多く含んでおり、免疫力を高める効果があります。
■デトックス効果:発汗を促進し、デトックス効果や美肌効果が期待できます。
さらに、東洋医学的には
・寒熱:温(穏やかに体を温める)
・昇降・収散・潤燥:昇(気や熱を上昇させる)
・臓腑:肺、脾
・五味:辛(発散、気を巡らせる作用)
・毒性:なし
日本で根付きのパクチーが手に入ったらぜひ一緒に使って欲しい。
もしすぐに使わない場合でもきれいに洗って冷凍すれば数か月は大丈夫!
今回紹介するパクチーサラダは、根っこを素揚げにして葉っぱと和えたものです。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ