ハクサイは寒さに当たり甘みが増す
冬に甘みが増して美味しくなるハクサイ。ハクサイは冬の代表的な野菜です。
実はハクサイは冬の食材ですが寒さには弱い野菜です。
冬の野菜は90%以上が水分ですので、氷点下の気温になると通常は凍ってしまいます。
しかし、ハクサイには冬の寒さをしのぎ凍ってしまわないための防御策が備わっています。冬の野菜が寒い畑にあって凍らないのはこの術があるためです。
ハクサイだけでなく、大根やホウレン草、ネギなども「霜にあたると甘くなる」と言われている寒さで甘みを増す冬の野菜となります。
それではどのようにして寒さから身を守るのでしょう。
例えばその1つは「糖分」です。
我が身が凍ってしまわないように寒くなると自分の水分を減らして糖分を増やし、水分中の糖度を高くすることで凍りにくくするといわれています。
また、他には「ビタミン」という要素があります。寒さを受けることによってビタミンも増えますので、またこのことで凝固点が上がり野菜が凍ってしまうことを防ぐことになります。
つまりこのような術によって寒さを乗り越えた冬のハクサイは、糖度が上がり、ビタミンをはじめとする栄養価も上がることになります。
また、ハクサイ自身の努力だけではなく、栽培の過程で11-12月頃になるとハクサイの葉の先の部分をヒモで縛り、中身が凍結しないように作業を行っている地域もあります。
ハクサイは明治初期に日本に入り、全国に普及したのは大正時代といわれています。
当初の栽培方法では、丸くきれいな形をつくるのは非常に難しく、栽培も細々としたものでしたが、品種改良の結果現在のような葉が丸まり結球する品種が生まれました。
なじみの深い野菜ですので古くから食べられていたように思われていますが、意外なことに比較的新しい野菜です。
精進料理では、大根や豆腐とともに養生三宝と呼ばれ貴重な食材とされています。日本の食文化には欠かせない野菜ですので、大根やキャベツに次ぐ生産量があります。
ハクサイの栄養素についてもっと詳しく知りたい方はイシペディアの栄養素分析「ハクサイ」をご覧ください。