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インゲン豆がイギリスの朝食で大事にされている理由は、この栄養素が含まれているから

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イギリスのフルブレックファースト

    今回はThe Ritz London の横にあるロンドン随一と言われるカフェハウスにお誘いいただいての朝食。

    イギリスで楽しみなのが、ブラックプディング、ベイクドビーンズ、マッシュルーム、ソーセージの組み合わせが嬉しいフルブレックファースト。

    この中でも白インゲン豆をトマトソースとお砂糖で味付けしたベイクドビーンズはDr.ピエールの大好物。
    ここまでぶっ飛んで甘いと旅の疲れやこの数ヶ月抱えていた数多くのストレスが氷解していきそう。

    甘いものがストレスに効くと言われる理由

    ストレスに効く理由は、血糖値が上がったり、甘みを感じたりするとアミノ酸の一つであるトリプトファンから脳内で合成されるセロトニン、いわゆるハッピーホルモンであるエンドルフィンが増えるから!

    ストレスが多い人が太りやすいのは、無意識のうちに甘いものを摂りすぎてしまうことにあります。
    このお料理も豆や砂糖が多いので太りやすいのでは?と心配な方もいると思いますが…
    伝統的なお料理には長年培われた医食同源的な要素があるので少しは安心。

    このお料理ではインゲン豆が良い働きをしてます。

    インゲン豆は、サヤインゲンを完熟させたもので、主成分は炭水化物とタンパク質です。
    金時豆(赤インゲン豆)、うずら豆、大福豆(白インゲン豆)などの種類があります。
    ホルモンや酵素の生成などに関与し、成長期の子どもにとって重要な必須アミノ酸であるリジンを豊富に含んでいます。

    インゲン豆の効能・効果には、
    ■便秘の解消
    食物繊維が豊富に含まれているため、腸内の環境を整え、便秘を解消する効果があります。また、便を柔らかくする効果があるマグネシウムを含んでいるため、便が固くて排便が困難な場合にも効果があります。

    ■肥満予防
    豆類に多く含まれるサポニンが脂質の代謝を促進し肥満を予防してくれます。さらに、リジンは体内で脂質の燃焼に必要なカルニチンに変化するほか、食物繊維による満腹感も肥満予防に効果があります。

    ■老化予防
    ポリフェノールやサポニンなどに抗酸化作用があり、活性酸素による老化を防いでくれます。

    インゲン豆(乾燥)の主な栄養成分(可食部100gあたり、1カップ150g)
    たんぱく質・・・19.9g
    炭水化物・・・57.8g
    カリウム・・・1500mg
    マグネシウム・・・150mg
    カルシウム・・・130㎎
    鉄・・・6.0mg
    亜鉛・・・2.5mg
    ビタミンB1・・・0.50mg
    ビタミンB2・・・0.20mg
    食物繊維・・・19.3g

    東洋医学的には、
    ・寒熱:温(穏やかに体を温める)
    ・昇降・収散・潤燥:特になし
    ・臓腑:胃・脾
    ・五味:甘(補い滋養する作用)
    ・毒性:なし

    胃の働きを調節し、暑さによる食欲不振・無気力感を解消します。
    脾の働きを高め、湿を取り除きます。

    不溶性食物繊維が豊富で、さらに加熱して調理するとでんぷんの一部がレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)になるため食物繊維の量が大きく増えます。

    そのことで血糖値が上がりにくくなり、コレステロールも上がりにくくなり、なんならお通じの調子まで良くなるのだから食べない理由がありません!

    またレジスタントスターチはゆっくりと消化、吸収されるので、セカンドミール効果といってお食事の後も空腹感がわきにくくなるので本当に良いことづくめなわけ。

    そういう観点からは英国式の朝ごはんをしっかり食べて、お昼や夕食を軽くするのはダイエットの一つのアイデアと言えます。

    The Wolseley
    160 Piccadilly, St. James’s, London W1J 9EB イギリス

    〔大友“ピエール” 博之〕

    日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

    ・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
    ・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
     渋谷セントラルクリニック代表
     一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

    ・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
    ・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
     シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ 

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