アイナメと黄身豆腐

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岐阜県の日本料理の名店で出会った一品に感銘を受ける

この歳になると外食をしていて、全く初めてというお料理に出会えることは滅多にない。
そんな中、仲居さんが「アイナメと黄身豆腐のお椀です。」とさりげなくサーブしてくれた一品からクリエイティブについて考えさせられたのでご報告。

黄身豆腐、要は豆腐のことかとふんわりとした食感を想像して口にすると非常に驚かされる。
あのはかなげな柔らかさではなく、プリップリな弾力を感じさせる歯触りは今までに全く出会ったことのないものだったから。

Dr.ピエールが更にすごいと思ったのは、このお料理が卵黄とお出汁というシンプルで誰にでも手に入る食材で作られていたこと。

滑らかに仕上げることを主眼に白身の方が黄身よりも比率の多い卵豆腐を、珍しいものや斬新なものを加えることなく黄味だけを使って全く新しい価値観のお料理にしたことに深く感銘を受けた。

もちろん発想だけでなく出汁の比率や蒸す温度など、研究と試行錯誤を重ねたこともリスペクトです。

静と動が同居しているお碗  医食同源効果

ちなみに卵黄は卵白よりもタンパク質ビタミンを多く含む。
「コリン」という、食品のなかで最も脳内に吸収されやすい栄養素は記憶力や認知症などに効果を発揮し、若々しい脳を保ってくれます。

元気ハツラツの黄身豆腐に対して、アイナメによって対照的に滋味深さが与えられることで、静と動が同居しているお碗

アイナメはコレステロールを下げる多価不飽和脂肪酸や、「美肌とエネルギー代謝のビタミン」とも言われているビタミンB2が豊富。
いつまでも艶やかなお肌を望む人には積極的に摂取してほしい。

その8割が山と川という自然豊かな岐阜県にある日本料理の名店。
帰りしな、東京にある自分のお弟子さんたちのお店の名刺を皆にお渡ししていた心優しき大将。
やはりお肌はプリプリでした。

たか田八祥
岐阜県岐阜市杉山町17−2

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

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