睡眠を取れば痩せられるのか?ダイエットと脳機能
【気持ちよく寝られないのはなぜ?】
Dr.大友(イシペディア編集長)
本日は睡眠の質を下げてしまうライフスタイルについてお伺いしたいと思います。 ストレスやらなんやらで寝れない夜というのは誰にもあると思いますが、気持ちよく寝るためにはどんなことが重要なのでしょうか?
Dr.河村(渋谷セントラルクリニック院長)
私が外来をしていて感じることは、皆さん夜遅くまで起きるという前提で生活をしていらっしゃるということですね。
Dr.大友
と言いますと?
Dr.河村
お仕事や遊びでご自宅にお戻りになられるのも遅いのですが、その後にまたスマホにかぶりつきになってしまったり、テレビや映画を見ていたりされる方が多いことに驚きます。
Dr.大友
睡眠はアンチエイジングや健康寿命を伸ばすために一番重要ですから、寝るという儀式を大事にして欲しいですね。
Dr.河村
寝るためには日中からの備えが大事です。そういった意味では朝起きたときにお日様を見ることは睡眠状態から脳をリセットする意味で大事な儀式と言えます。
Dr.大友
概日リズムのことですね。日に浴びることで体内で増えるビタミンDも睡眠に有効だとされています。
Dr.河村
もちろん中には看護師さんや海外との仕事をしている方でどうしても夜起きていなくてはならない方もいるのですが、そうした方は採血の検査をしてもストレスが高い傾向にあります。
Dr.大友
物理的に規則正しく寝れないというのも睡眠のリズムを崩してしまうわけですね。そういった観点からは寝る時の明るさや騒音にも気をつけたいものです。他にはどうですか?
Dr.河村
ダイエットという観点から申し上げると、睡眠時無呼吸症候群のことはお話ししないといけません。
Dr.大友
寝ている間に呼吸をしない時間がある方ですね。
Dr.河村
いびきをかいたりということで、ベッドパートナーが気づいてくれると良いのですが。それでも気が付かずに生活している方が多い印象があります。
Dr.大友
いびき以外の症状はありますか?
Dr.河村
日中の眠気も重要ですね。一つ知っておいていただきたいこととして、必ずしも太っている人がなるわけではないこともあります。顎の大きさが小さい人では睡眠時無呼吸症候群になってしまう方も少なからずいらっしゃいます。
Dr.大友
お食事関係ではいかがですか?直前にコーヒーを飲んだり、お酒を飲んだりなんということも睡眠にはあまり良い影響を与えない印象もあります。
Dr.河村
そうですね。コーヒーのカフェインに反応してしまう人も少なからずいらっしゃると思います。またアルコールを飲むことによって眠くなるような印象もあるかもしれませんが、睡眠が浅くなってしまうことで睡眠の質が下がってしまうことも気をつけないといけません。
Dr.大友
寝る直前のアルコールは逆流性食道炎を引き起こすこともありますから、気をつけていただきたいですね。それ以外にはいかがですか?もう少しお食事関連で?
Dr.河村
辛いものは気をつけた方が良いですね。人によっては食物過敏性のある食材を食べた時に睡眠の質が下がることもありますので、気をつけていただきたいですね。
Dr.河村
そうですね。その他にもダイエットのお薬やダイエットサプリメントを飲んでいる人で睡眠の質が下がっていることもよく見受けられます。
Dr.大友
ダイエットサプリメントの中には交感神経を優位にする、つまり興奮させるような成分が入っていることが多いので注意が必要でしょうね。精神的な問題も影響しますか?
Dr.河村
心療内科や精神科でお薬をもらっている人にも睡眠の質が良くない人は多いです。つまり時間的には寝れてはいるけど、満足度は低い方がいらっしゃいます。
Dr.大友
不安障害や抑うつのことはよく専門の先生とご相談頂きたいですね。それ以外のご病気で睡眠の質が悪くなることはありますか?
Dr.河村
慢性の痛みがある人、喘息がある人や前立腺肥大や過活動性膀胱などの泌尿器科問題で夜トイレに立たれる方も睡眠の質が低いと思います。
Dr.大友
女性特有の問題はありますか?
Dr.河村
やはり女性ホルモン、エストロゲン、プロゲステロンともに睡眠には大きな役割がありますので、更年期やプレ更年期でホルモンバランスが崩れると睡眠の妨げにはなると思います。
Dr.大友
ホルモンも睡眠には大きな役割を果たしますね。
Dr.河村
男性でも男性ホルモンが低いと睡眠の質が下がります。また男性でも女性でも甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症などが原因で睡眠が十分ではなくなる可能性がありますので気を付けていただきたいです。
Dr.大友
栄養素的には重要なものってありますか? 昔から眠れないときは暖かい牛乳を飲むとかありましたよね?
Dr.河村
牛乳にはトリプトファンというアミノ酸が含まれていて、メラトニンというホルモンの原料になりますので、あながち間違いではないかもしれません。それ以外にも亜鉛やマグネシウムが不足している人の印象が多いので、こうした栄養素をたくさん含むをお食事をしていただきたいですね。
Dr.大友
勉強になりました。