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神に捧ぐハーブでホルモンアゲアゲ

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聖なるガパオ

Dr.ピエールがこれまで食べてきたガパオ炒めの中で印象に残っているのはバンコクでフランス人が営む熟成肉専門レストランで和ガパオをブルゴーニュワインと共に楽しんだ時のこと。

元が屋台料理とは思えない見た目のこれは辛みを抑えて炒め汁をソースのように仕上げてあり、どこかエキゾチックなフランス料理のよう。

ガパオ炒めには挽き肉が使われることが多いのですが、これは塊で煮込むことによって噛み応えが生まれ、お肉の熟成度も加わって調味料に頼らずとも満足感が得られるのが嬉しいところ。
本来難しい組み合わせとされてきた“繊細なワインとタイ料理”の新しい可能性も見いだすことができました。

ガパオ炒めは代表的なタイ料理のひとつだからさぞかし歴史も長いのだろうと思いきや、実は初めて料理本に登場してからわずか40年!
40年でここまで国民的料理ならず日本にまで流通するなんて何ともすごいスター性を持ったお料理ですよね。

ガパオで若返りを期待する

ちなみにガパオとはタイ語でホーリーバジルのことで、日本のスーパーにあるスイートバジルとは見た目も風味も大きく違う。
ヒンドゥー教では神に捧げる植物だったことから“ホーリー=聖なる”と名付けられ、アーユルヴェーダでは重要な「不老不死の霊薬」としてマラリヤの治療にも使われてきたほど。

ガパオの抗酸化成分はストレスホルモンのコルチゾールを抑制し、若返りのホルモン「DHEA」を活性化させたり精神を安定させる効果がある
朝元気に起きられない人、どうにもやる気が出ない人、原因不明の肌荒れがあるひとは“副腎疲労症候群”と言われたりしますが、そういった方にもお勧めできます。
また香りの成分である「リナロール」にリラックス効果があり、不安やストレスを解消することから心身ともに若さを保つ薬ともされてきたのでしょう。

バンコクの暑さだとお弁当腐らないのかなと心配になることもありますが、実はガパオには強力な抗菌作用があり、天然の抗生物質としてあらゆる種類の細菌やウィルスから身体を守る働きがあります。

本場のガパオを再現したいところだけど、コロナの影響で海外からのハーブが品薄な昨今。
その間はDr.ピエール流のバジルを使わない”ガパオ風”炒めをご紹介させていただこうかなと思っていますのでお楽しみに!

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

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