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奇跡の新芽「ブロッコリースプラウト」 ぶろっこりーすぷらうと

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    ブロッコリースプラウトは、発芽して間もないブロッコリーの新芽です。

    スプラウトとは、発芽直後の植物の新芽のことで、成熟した野菜とは異なり、成長に必要な栄養素を豊富に蓄えています。

    特にブロッコリースプラウトには、ブロッコリーの10倍以上スルフォラファンが含まれており、他のスプラウトと比べてもその含有量は際立っています。

    旬の時期は10月〜3月とされています。

    ブロッコリースプラウトの栄養素

    スプラウトは、種子に凝縮された栄養と、光合成によって育った野菜の栄養を併せ持っています。
    中でもブロッコリースプラウトは、ビタミンCやβ-カロテン、カルシウム、葉酸、食物繊維などを豊富に含みます。

    以下は、成熟したブロッコリーと比較した栄養素の含有量比です:

    • スルフォラファン:約10倍以上

    • ビタミンC・E:約1.5倍

    • 葉酸:約1.4倍

    ブロッコリースプラウトの栄養成分(可食部 100g あたり)

    エネルギー ・・・18kcal
    タンパク質 ・・・1.6g
    脂質 ・・・0.1g
    炭水化物 ・・・2g

    ビタミン類
    ビタミンA ・・・5μg
    ビタミンE ・・・1.9mg
    ビタミンK ・・・47μg
    ビタミンB1 ・・・0.07mgg
    ビタミンB2 ・・・0.09mg
    ナイアシン ・・・0.2mg
    ビタミンB6 ・・・0.1mg
    葉酸 ・・・56μg
    パントテン酸 ・・・0.46mg
    ビオチン ・・・4.4μg
    ビタミンC ・・・5mg
    β-カロテン・・・1400μg
    食物繊維 ・・・1.4g

    ミネラル類
    ナトリウム ・・・7mg
    カリウム ・・・43mg
    カルシウム ・・・14mg
    マグネシウム ・・・13mg
    リン ・・・37mg
    ・・・0.5mg
    亜鉛 ・・・0.4mg
    ・・・0.09mg
    マンガン ・・・0.1mg
    ヨウ素 ・・・1μg
    セレン ・・・1μg
    モリブデン ・・・16μg

    効能・効果

    スルフォラファン

    スルフォラファンは、ブロッコリーに微量に含まれるファイトケミカル(植物由来の機能性成分)です。アブラナ科特有の辛味や香り成分が、切る・噛む・消化することで変化し、スルフォラファンとなります。

    特にブロッコリースプラウトにはその含有量が多く、以下のような健康効果が期待されています:

    • 抗酸化作用による活性酸素の除去

    • 免疫力の向上

    • がん予防

    • 肝臓の解毒促進(デトックス効果)

    エイジングケア

    スルフォラファンの抗酸化作用は、肌のシミ・シワの予防や老化防止、エイジングケアにも有効とされています。

    花粉症対策

    スルフォラファンをはじめとした成分により、スギ花粉症の症状軽減にも役立つことが分かっています。

    ピロリ菌除菌効果

    スルフォラファンには、ピロリ菌の活動を抑制する作用も確認されています。

    β-カロテン

    ブロッコリースプラウトに含まれるβ-カロテン(1400μg/100g)には、強い抗酸化作用があります。活性酸素の除去を助けるだけでなく、体内で必要な分だけビタミンAに変換され、

    • 肌や粘膜の健康維持

    • 視覚機能の正常化

    などの働きも期待できます。

    東洋医学的側面

    ・ 寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
    ・ 昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)
    ・ 臓腑:肺・脾・大腸
    ・ 五味:甘(補い滋養する作用)
    ・ 毒性:なし

    栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

    選び方
    ・軸がシャキッとしていて葉の色が濃く、黒い斑点がないものが新鮮です。

    保存方法
    ・スプラウトは乾燥に弱いため、3日以内に使い切るのが理想です。
    ・それ以上保存する場合は、根元を水に浸してスポンジを湿らせ、ラップをかけて立てて野菜室に保存します

    調理方法
    生で食べる(サラダやスムージーなど)ことで、スルフォラファンの効果を最大限に活かせます。
    よく噛んで食べることで、酵素の働きによりスルフォラファンの生成が促されます。
    油と一緒に摂ることで吸収率がアップ。エクストラバージンオリーブオイルなど良質な油と合わせるのがおすすめです。

    【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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