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満腹中枢を刺激して食欲の暴走を止める「タマリンド」 たまりんど

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タマリンドは、タイヤベトナムなど熱帯から亜熱帯にかけての地域でよく収穫される果実です。

味は甘酸っぱく癖のある味で、その独特な風味を生かして料理に使われたりジャムやお菓子、飲み物などに加工して食べることが多いフルーツです。

検疫の問題で日本国内には生のまま輸入できません。タイでの旬1月~2月です。

栄養素

タマリンドは栄養素を多く含む貴重な果実です。カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが含まれており、特に鉄分はタマリンドを100g食べれば一日の摂取量の35パーセントが補給できてしまいます。

また、ビタミンも豊富に含まれています。中でもビタミンB1が多く含まれており、神経機能の改善や筋肉の発達に効果があると言われています。

そして、タマリンドにはセロトニン神経伝達物質を増加させる効果があるため、満腹中枢が刺激され、食欲を抑える効果があります。その上、タマリンドに含まれるヒドロキシクエン酸が脂肪の蓄積を防いでくれるため、ダイエットにも人気がある果実です。

タマリンドの主な栄養成分(可食部100g本あたり)

ビタミンC・・・3.5mg
食物繊維・・・5.1g
・・・2.8mg
カルシウム・・・74mg
マグネシウム・・・92mg

効能・効果

便秘改善:豊富に含まれる食物繊維が蠕動運動を促進して腸内環境を整える

疲労回復:果肉に含まれる酸味成分(酒石酸やクエン酸)に疲労回復効果がある

糖尿病改善:炭水化物の糖変換と吸収を促すアルファアミラーゼを抑制し糖尿病を予防する

免疫強化:ビタミンCやその他の抗酸化化合物が体内の免疫システムを強化する

東洋医学的側面

・寒熱:涼(穏やかに体の熱を冷ます)
・五味:甘(補い滋養する作用)・酸(軟化させる作用)
・毒性:なし

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栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

ドライフルーツにしたタマリンドは、常温で3ヵ月間ほど保存することができます。ペースト状のものは冷蔵庫で保存するのをおすすめします。

タマリンドは生食で食べてもおいしいですが、料理の酸味付けやとろみ付けに利用することもできます。特にカレーに利用すると、タマリンドの酸味とほのかな甘みがカレーの風味を豊かにしてくれて良い隠し味となります。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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