大人のイライラにも「ヨーグルト」 よーぐると
ヨーグルトは牛乳を発酵させて作る発酵食品です。ビフィズス菌やブルガリア菌といった乳酸菌が生きたまま含まれており、胃腸を整える働きがあります。百歳を超える長寿者が欠かさず食べているという資料もあり“長寿食”としても関心が高まっています。
栄養素
私たちの腸内には1,000種類以上の多種多様な細菌が生息してます。腸内細菌はビフィズス菌やフェイカリス菌など“善玉菌”、ウェルシュ菌や黄色ブドウ球菌など“悪玉菌”、どちらとも言えない“日和見菌”に分けられ、これを腸内細菌叢といいます。
ヨーグルトに含まれるビフィズス菌やブルガリア菌、LGG菌などの乳酸菌は、胃酸や胆汁酸などの影響を受けずに、生きたまま腸に届き、腸内環境を善玉菌が優位な状態に整えます。
腸内環境を整えることで、便秘や下痢など胃腸の不調を改善したり、腸内に生じる悪性のガスの発生を抑制したりすることで腸の機能を整えます。
また、腸は食べ物などに付いた細菌を死滅させる必要があるため、多くの免疫細胞が集まっています。乳酸菌を摂取することで病気を防ぐ腸の免疫力が高まります。
ヨーグルトは牛乳を原料としているため、市販のヨーグルトをカップ1杯摂るだけで、およそ牛乳1本(200ml)分のカルシウムを摂取することができます。
また、ヨーグルトは乳酸菌によって乳糖が分解されているので、日本人に多い乳糖不耐症の人でも下痢や腹痛の心配なく、牛乳の栄養を摂ることができます。
ヨーグルト(全脂無糖)の主な栄養成分(100gあたり カップ1杯程度)
・エネルギー……62kcal
・たんぱく質……3.6g
・脂質……3.0g
・炭水化物……4.9g
・ナトリウム……48㎎
・カリウム……170㎎
・カルシウム……120㎎
・リン……100㎎
・鉄……微量
・亜鉛……0.4㎎
・ビタミンA……33mg
・ビタミンB1……0.04㎎
・ビタミンB2……0.14㎎
・ビタミンB6……0.04㎎
・葉酸……11㎍
・ビタミンK……1㎍
効能・効果
腸内環境の改善
ヨーグルトは乳酸菌の作用により、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えることで便秘や下痢、軟便など便通を改善する働きがあります。また、腸内環境を改善し、便通を整えることで大腸がんの予防にもつながります。
骨粗しょう症の予防
ヨーグルトにはカルシウムが豊富に含まれているだけでなく、ヨーグルトに含まれるたんぱく質や乳酸の働きにより、カルシウムの吸収が促進されるため、骨粗しょう症の予防に効果的です。また、骨や歯を丈夫にする効果もあります。
コレステロール値を下げる
乳酸菌にはコレステロール値を改善する働きがあります。悪玉コレステロール値(LDL)を低下させることで動脈硬化の予防につながり、狭心症や心筋梗塞、脳卒中など重篤な病気の予防に効果が期待できます。
イライラを鎮める
ヨーグルトに含まれるカルシウムには、気分を落ち着け、イライラを改善する鎮静効果があります。また、乳酸の酸味もストレスを改善する働きがあります。PMS(月経前症候群)や更年期のイライラを改善する効果も期待できます。
東洋医学的側面
・寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
・昇降・収散・潤燥:潤(体を潤す性質)
・臓腑:肝
・五味:酸(収斂、免疫力を高める)
・毒性:無毒
胃腸の粘膜を潤し、排便を促します
消化を促進し、胃腸の働きを活発にします
牛乳に比べるとやや温性のため、体を冷やしません
気血の流れを改善し、免疫力を高めます
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
ヨーグルトは乳糖が分解されているため「乳糖不耐症」(※1)の人でも腹痛や下痢を起こすことなく、牛乳と同様の栄養を摂ることができます。
ヨーグルトは鮮度が高いほど、きれいな白色をしています。
肥満や生活習慣病の予防の目的で摂る場合は、プレーン(無糖)タイプが良いでしょう。
プレーンヨーグルトでは味気ないという場合は、ジャムやハチミツなどを混ぜれば食べやすくなります。
10℃以下の冷蔵庫で保存します。牛乳よりは日持ちしますが、開封後は早めに使いきりましょう。
(※1)「乳糖不耐症」とは、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素の活性が少ない人のことです。牛乳を飲むと腹痛や下痢などの症状が起こります。比較的、日本人に多いといわれています。