雪のように白くて濃いスープを飲めば気持ちも胃腸も軽くなるというお話
牛頰肉を食べれば疲れた身体にエネルギーがみなぎる
修行に出させてもらった救急部では仕事終わりにみんなで夜明けの街に繰り出してご飯に行くことが多かった。
この時先輩がご馳走してくれたご飯はDr.ピエールの研修医時代の楽しい思い出。
その一つが赤坂にある24時間営業の韓国料理屋さん。
救急部の歴戦の勇者曰く、ここで牛頰肉を食べれば疲れた身体にエネルギーがみなぎる。
ここの名物は頰肉を蒸したスユック。
牛の頬肉はツラミ、顔(ツラ)の身、なので筋肉が動かされているのでコクがありますが、ゼラチン質もたっぷりなので舌の上でトロッと溶けるのがたまらない。
寝る前に食べても胃もたれしない理由は頰肉が低カロリーなのとパンチャンと呼ばれるおかずに含まれる乳酸菌。
キムチを食後に食べると胃腸の負担が軽くなる?!
こちらのパンチャンはカクテキムチ、韓国海苔、じゃがいもサラダ、チョンガキムチ、にんにくの芽、黒豆、青菜、もやしのナムルなどなど…
キムチの植物性乳酸菌は塩分が高く糖分が少ない環境で育つので、動物性乳酸菌よりも生存能力が高いことから胃酸や胆汁酸にも負けずに腸に到達します。
だからキムチやお漬物をお食事前後に食べると胃腸の負担が軽くなるのですね。
締めに食べるは薬食同源文化の韓国を代表する食べる薬とも言われるソルロンタン。
雪濃湯とも呼ばれるのは骨髄まで煮出され白濁していて雪のように白く濃いから!
最近は朝まで飲むこともないので夜明けに出かけることはないけど、二日酔いの時や体調を整えたい時にあの頃のことを思い出しながら通う名店です。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ