消化を助けて悪酔いを防ぐ中国の力「紹興酒」 しょうこうしゅ
紹興酒は、浙江省紹興地方が発祥の中国の代表的な醸造酒です。米、もち米、もちアワなどを糖化させたものをムギ麹で発酵させ、熟成させて製造します。老酒は紹興酒を長期間熟成させたものですが、熟成により香りが高まります。アルコール度数は、14~20度です。
仕込み水の代用に元紅酒を添加させ、甘みがありアルコール度数の低い「善醸酒(ぜんじょうしゅ)」、伝統的な製法で作る辛口の「元紅酒(げんこうしゅ)」、麦麹を元紅酒のもろみに添加後し醗酵させた甘みの強い「香雪酒(こうせつしゅ)」、もち米やムギ麹を多く使った「加飯酒(かはんしゅ)」などがあります。
季節を問わず一年中楽しめます。
栄養素
紹興酒は、他のアルコール飲料と比べて、遊離アミノ酸を多く含んでいます。特に、体の中で作ることのできない必須アミノ酸が多く含まれており、日本酒、ビール、ワインなどの2~36倍も含まれていると言われています。
リン、マグネシウム、マンガンなどのミネラルを豊富に含んでいます。ビタミンの中では、ナイアシン、パントテン酸が豊富です。
紹興酒の主な栄養成分(可食部100gあたり)
・たんぱく質・・・3.1g
・マンガン・・・0.89mg
・マグネシウム・・・34mg
・リン・・・67mg
・ナイアシン・・・1.6㎎
・パントテン酸・・・0.34mg
効能・効果
疲労回復:ビタミン類やミネラルなどを豊富に含んでおり、疲労回復に効果があります。さらに、必須アミノ酸を多く含んでいるため、体力を回復する効果もあります。
ダイエットに効果があります:紹興酒には消化を助ける効果があり、また、遊離アミノ酸の他リンなどが多く含まれているため、ダイエットにも効果があります。
骨粗しょう症予防:マンガンが骨の形成やタンパク質の合成を促進します。また、マグネシウムは骨の構成成分であり、骨の弾性を保ちます。
悪酔いしにくい:遊離アミノ酸を多く含んでいるため、他のアルコール飲料に比べて悪酔いしにくいです。
東洋医学的側面
・寒熱:熱(体を温める)
・昇降・収散・潤燥:昇(気や熱を上昇させる)・散(気を体の外へ出す作用)
・臓腑:肝、腎、胃、脾、心
・五味:辛(発散、気を巡らせる作用)・苦(気を降ろす、固める作用)・甘(補い滋養する作用)・酸(免疫力を高める作用)
・毒性:微毒
体を温め、冷えを解消します
利尿作用があり、むくみをとります
血行を促進します
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
紹興酒にはプリン体が多く含まれています。100mlあたりに含まれるプリン体の含有量はビールの3.3~8.4mgと比べて、7.7~11.6mgと多いため、飲みすぎると尿酸が蓄積し痛風の原因になります。