
健康を育むタイの郷土料理 -プーケット海老味噌ディップ-
旅先で見つけた健康的な逸品
旅先で健康的な料理に出会うと、とても嬉しくなります。
特に、家族や仲間が幸せな気持ちでその一品を作り出しているのを感じると、心からリフレッシュできます。
今回ご紹介するのは、プーケットの郷土料理である海老味噌のディップ。
これは昔から、たくさんの野菜を摂取するために各家庭で作られてきたものです。
日頃の疲れを癒し、肝臓にも優しいこの逸品について見ていきましょう。

このディップには、黄色のマンゴーよりもビタミンCや酵素が多く含まれる青マンゴー、ビタミンCが豊富なマナオ(タイレモン)、そしてカルシウムたっぷりの小魚などが入っています。
さらに、ビタミンCとカルシウムの両方を持つキンカンも加わります。
仕上げに、唐辛子のカプサイシンで代謝と血行を促し、「ガピ(海老味噌)」の発酵効果で腸内環境を整えます。
豊富な野菜がもたらす健康効果
この料理の主役は何と言っても白ウコン。クルクミンを豊富に含み、消化補助や胃の痛み、吐き気の解消にも使われてきたタイ南部の特産品で、二日酔いの予防にも良いとされています。
他にも、タンパク質とカロテンを多く含み、皮膚や粘膜を健康に保つ四角豆、コレステロールを減らし、がん予防や血糖値を下げる効果が期待される紫ナス(タイカレーの具材によく使われるのは、健康を高めようと考えた先祖の知恵だそうです)など、たくさんの野菜が使われています。
さらに、美髪を保つニンジンや、体内の余分な塩分を排出するキュウリも含まれています。
甘じょっぱいディップとともに、これだけの種類の野菜があっという間に食べられるのは不思議な感覚です。
しかも、ノンオイルなので最高の健康的なおつまみと言えるでしょう。
ぜひ日本の美味しい野菜を使って、ピエール流のオリジナルレシピを再現し、皆さんに振る舞ってみたいと思います。

〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ


