イカ好きが語るタイのイカ事情

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タイの屋台文化に根付くタイの“イカ愛”

無類のイカ好きの私にとって、夢のような国の一つがタイ。

タイのシーフードというとトムヤムクンのイメージから海老を連想する方もいるかもしれませんが、実はイカも非常に人気があります。
タイの市場では様々な大きさのイカがずらりと並んでいますし、イカの加工品は子供のおやつやビールのつまみとして、ポテトチップスと並ぶほどコンビニでの定番人気商品となっています。

中でもバンコクで印象的なのは、屋台で夕飯を食べていると自転車に干したイカと七輪、そして小型のローラーをくくりつけた「スルメイカ売り」が営業に現れること。

そう、彼らのターゲットは食事中のお客さんたち。
注文が入ると炭火の七輪でイカを炙り、ぷくっと膨らんだところでローラーにかけてペラペラの「イカシート」に変身させます。
イカと炭火の香りに誘われるのか、ビールのつまみとして売れ行きは上々のようです。

大都会でありながら、そのような「3丁目の夕日」的な光景が残っているのもバンコクの魅力の一つです。

糸島のイカ料理を堪能

福岡県の糸島にあるビーチ沿いのタイ料理屋さんでイカのサラダを食べながら、ふと、そんなバンコクの風景を思い出しました。

糸島はイカの活き造りを出すお店が連なるほど新鮮なイカが獲れる土地。さっと蒸したヤリイカに野菜やハーブ、甘酸っぱいソースを絡めた一皿は、ロケーションも相まって格別でした。

イカにはアセチルコリンという脳機能に有効な成分が多く含まれているのも、アンチエイジングのポイント。
脳の中には膨大な情報を伝える役割を持つ「神経伝達物質」というものがあり、アセチルコリンはその中でも最も重要なものの一つです。

アセチルコリンが不足すると、認知症につながってしまうことも。
特に日本人の認知症の約半数を占めるアルツハイマー型認知症では、アセチルコリンの減少が確認されているため、イカは食卓に欠かせない食材と言えるでしょう。

ちなみにNASAの研究者によると、アセチルコリンの分泌量を増やす方法として「26分間の昼寝」が有効であるそうです。
在宅勤務の方は試してみてはいかがでしょうか。


〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

 

 

 

 

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