シチリアで学ぶ地中海料理の魅力
シチリアでの食文化体験
健康食としての地中海料理の可能性を信じている私、ピエールは、久しぶりにシチリアを訪れ、パレルモ、トラパーニ、マルサラで地中海料理について学びました。
今回の旅で一番印象に残ったのは、パレルモのブッチリア市場にあるレストランで食べたピスタチオのパスタです。
エトナ山近くで採れる最高品質のピスタチオは、アーモンドと並んでシチリア料理には欠かせないナッツ。ピスタチオが健康に良い理由としては
- 栄養価が高い: ナッツは良質な脂肪、たんぱく質、ビタミン(特にEやB群)、ミネラル(マグネシウムや亜鉛など)が豊富
- 心血管の健康: ナッツに含まれる不飽和脂肪酸は、コレステロール値を改善し、心臓病のリスクを減らしてくれる
- 抗酸化作用: ナッツは抗酸化物質を含み、細胞の損傷を防ぎ、老化や慢性疾患の病気を治すのに役立つ
- 食物繊維: 食物繊維が豊富で、消化を助け、満腹感が早めに出るので食べ過ぎない
- 慢性の炎症を抑えてくれる:ナッツに含まれるオメガ-3脂肪酸やポリフェノールは、炎症を抑えてくれる
揚げ物に使うのはオリーブオイル。食材は青魚そしてナッツを使用しており、病気の原因となる慢性の炎症を抑えるのが地中海料理の特徴です。
シチリアの文化と歴史
ワインをたくさん飲み、喫煙率も高いシチリア人は一見不健康そうに見えるかもしれませんが、このような健康的な食事によって相殺されているのでしょう。
お食事も美味しいですが、パレルモはキリスト教徒とイスラム教徒が共存し、多様な文化が交じり合った歴史ある街です。その象徴として、世界遺産でもあるノルマン王宮内のパラディーナ礼拝堂があります。
この礼拝堂はイスラムとビザンチン様式が融合した美しさを持ち、その魅力は言葉では表現できないほどです。
ぜひシチリアのお料理と共に、その風景もお楽しみください。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ