ビタミンはどのように吸収されるのか びたみんのきゅうしゅう
ビタミンは消化されず、そのままの形で小腸上皮細胞に吸収されます。
ビタミンの吸収は、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)と水溶性ビタミン(ビタミンB群、C)で吸収経路が異なります。
脂溶性ビタミンの吸収
脂溶性ビタミンの吸収は脂質の吸収機構とほぼ同じです。脂溶性ビタミンは小腸上皮細胞に吸収されたのちに脂質輸送たんぱく質であるキロミクロンに取り込まれ、リンパ管を経て肝臓に運ばれます。脂溶性ビタミンのうち、ビタミンEとK1、K2は、胆汁酸などによってミセル化された後に小腸上皮細胞から吸収されます。
ビタミンAのうち、約90%は肝臓に貯蔵されますが、必要に応じて各組織へ運搬されます。ビタミンDは肝臓、脂肪組織、筋肉中に貯蔵され、特に肝臓に多く存在します。ビタミンEはほぼ全ての組織に取り込まれます。
水溶性ビタミンの吸収
水溶性ビタミンは9種類(ビタミンB1 ・ビタミンB2 ・ビタミンB6 ・ビタミンB12 ・ビタミンC ・ナイアシン ・パントテン酸 ・葉酸・ビオチン)あり、多くのものは能動輸送(のうどうゆそう)によって小腸上皮細胞に吸収され、肝臓につながる門脈血に入ります。そして肝臓に運ばれた後に、各組織で利用されます。能動輸送は微絨毛膜(びじゅうもうまく)に存在するトランスポーターを介して行われます。トランスポーターの種類はそれぞれのビタミンによって異なります。
ナイアシン、ビタミンB6は単純拡散(受動輸送)により小腸上皮細胞に吸収されます。
ビタミンB12の吸収は特異的で、胃粘膜から分泌される糖たんぱく質(内因子)と結合して回腸で吸収されます。