④ パーキンソン病の発症を予防するために無農薬のコーヒーやお茶を飲もう
Dr.大友 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
パーキンソン病はお年を召すにつれてなりやすくなると言うお話でしたが、遺伝子は関係していないのですか?
Dr.余郷 曙ホームクリニック院長
40歳未満発症の若年性パーキンソン病、若い人のパーキンソン病と言うのがありまして、そういう場合はある種の遺伝子が関連しているとことは分かっています。
Dr.大友
そうした遺伝子があるとなりやすい方が残念ながらいらっしゃる。
Dr.余郷
そうですね。
Dr.大友
そうした遺伝子を持っていると必ず皆さんパーキンソン病になってしまうのですか?
Dr.余郷
皆さんと言うわけではありません。遺伝子が一つあるだけで発症してしまうものもありますし、遺伝子が二つ揃い初めて発症するものもあります。遺伝子のタイプによりますね。
Dr.大友
持ってる遺伝子によって色々変わってくるかもしれないと言うことですね。
Dr.余郷
はい。
Dr.大友
若年性パーキンソン病だけですか?
Dr.余郷
実は最近、高齢の発症に関してもなりやすさを規定しているようなちょっとした小さな遺伝子の置換、つまり一個だけ違うとか、そういうバックグラウンドとなるような遺伝子と言うものもわかってきています。
Dr.大友
その遺伝子が発現してしまうかどうかと言うのはライフスタイルとかそういうものにも関係すると言うことですか?
Dr.余郷
そうですね。遺伝だけがすべてではないですから環境要因もあるかなと思います。
Dr.大友
環境要因にはどんなことがありますか?
Dr.余郷
学会でも言われているような物と言うと、ある種の殺虫剤とか。
Dr.大友
何かの殺虫剤。
Dr.余郷
今日本で売られている農薬みたいなものがパーキンソン病を引き起こす可能性がありますね。あとはカフェインを摂らないとパーキンソン病になりやすい、リスクが上がると言われています。
Dr.大友
カフェインを摂った方がパーキンソン病の予防には良い!
Dr.余郷
はい。
Dr.大友
どんなカフェインがいいですか?例えばコーヒーとかお茶がいいとか。
Dr.余郷
難しいと思いますが、コーヒーや緑茶のようなカフェイン以外でポリフェノール、フラボノイドみたいな良いものが色々とあると思います。そのため何の飲み物が良いかははっきりと分かっていませんが、カフェインはパーキンソン病のリスクを下げますと言う話です。
Dr.大友
コーヒー飲もうかな?
Dr.余郷
良いと思います。
Dr.大友
でも殺虫剤が入っていない方がいいから、パーキンソン病の予防には農薬を使っていないコーヒーじゃないといけませんね。
Dr.余郷
オーガニック、良いですね。
Dr.大友
ではシングルオリジンの殺虫剤を使っていないものにしてみます。
農薬の問題は世界でも話題だったんですよ。モナコの学会の時に日本のお茶は農薬が多いみたいことを発表している人たちがいて、グリーンティーはいいけど日本の物を盲目的に安全と思って飲んではいけないと言う発表をしている人もいたので、そういう意味では農薬、殺虫剤を気にしている方が欧米には多いのかもしれません。
それ以外ではパーキンソン病に関連する環境要因はありますか?
Dr.余郷
実はこれはお勧めではないのですが、タバコを吸っているとなりにくいというデータが出ています。
Dr.大友
なんと煙草を吸った方がパーキンソン病にならない。
Dr.余郷
他の病気になる可能性もありますし、それでがんになることもありますので、これは全然お勧めではないです。データとしてそういうものが出てるわけです。
Dr.大友
なぜなんでしょうね?
Dr.余郷
うーん。例えば性格的な問題とかそういうものもあるかもしれません。 タバコを吸ってコミュニケーションが大好きな人と言うような性格が予防に繋がるのかものしれません。何とも言えないないです。
Dr.大友
コミュニケーションをとるのでしたら、タバコよりはコーヒーを飲みながら話した方が良いですね。
Dr.余郷
そうですね。タバコは吸わないで欲しい。
Dr.大友
まとめると遺伝子による発症は遺伝子のタイプによって変わるけれども、複数の要因でなりやすくなる可能性があります。
タバコを吸っている方がパーキンソン病になりにくいと言う事実があるけど理由は良くわかっていないし、医師としてはそのために吸うことはお勧めしない。パーキンソン病を予防するためにはカフェインを摂った方がよいのではないかと言う話ですね。お勉強になりました。
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほどハリ治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。
日本神経学会専門医、日本認知症学会専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本抗加齢学会専門医、日本医師会認定産業医、日本体育協会スポーツ専門医、がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会終了
1979年新宿生まれ、新宿育ち。
東京慈恵会医科大学卒業
東京慈恵会医科大学大学院卒業
東京慈恵会医科大学葛飾医療センター神経内科医長