⑥ 男性不妊 男性ホルモンの後天的な低下は睡眠不足・喫煙が原因
Dr.大友
渋谷セントラルクリニックエグゼクティブディレクター
テストステロン(男性ホルモン)についてお伺いしたいと思います。
Dr.小池
JR東京総合病院泌尿器科部長
はい。
Dr.大友
テストステロンが低い原因ってのは例えばどんなことが考えられるんですか。
Dr.小池
そうですね。まず大きく分けて二つに分かれると思います。もちろん先天性にテストステロンの分泌ができない方もやはりいらっしゃいますので。
Dr.大友
先天性というのは生まれつき。
Dr.小池
生まれつきですね。
Dr.大友
何か原因がある?
Dr.小池
そうですね。まあ遺伝子的な異常とか色々な理由でテストステロンが分泌できない、自分で作れないっていう方がいらっしゃいます。
Dr.大友
どんな病気なんですか?
Dr.小池
クラインフェルター症候群とか半陰陽と言われています。そう言ったことが理由で生まれつき自分のテストステロンなりそういったものが遺伝的に作れないという方はいらっしゃいます。
Dr.大友
なるほど。
Dr.小池
はい。
Dr.大友
後天的に男性ホルモンが低いというのは、男性更年期みたいな同じストーリーということですか。
Dr.小池
はい。そういうことですね。
Dr.大友
どう言ったことが原因でなるんですか。
Dr.小池
やはりライフスタイルでテストステロン自体が作れなくなるということ。他には先ほどお話した精子が環境変化による熱に弱いというお話しをしましたけども、そういったことで精子自体にもダメージが加わってしまう、精巣自体に加わってしまって精子が作れないという二つのストーリーがあると思いますね。
Dr.大友
ライフスタイルが悪いというのは僕の専門分野の一つでもあるんですけど。
先週ロサンゼルスで医療大麻の学会に出たらやっぱりマリファナを吸うと精子がダメだっていう話でしたが、煙草とかアルコールとか大麻はもちろん日本では御法度ですがそういった違法薬物やっぱり精子の動きを悪くするものですか。
Dr.小池
悪くするものと言われていますね。
喫煙、そして睡眠不足。これは絶対不妊男性にとっては良くないと言われております。
Dr.大友
睡眠不足があると(免疫力の低下から)、テストステロンの大元になるホルモンであるDHEAとか減ってくる。そういう理解でよろしいですか。
Dr.小池
はい。そうですね。
Dr.大友
なるほど。それ以外にも例えば不真面目と言うかストレスフルな生活をしていると男性ホルモンができる以外で何か悪いことも起きたりしますか。例えば精子の遺伝子が傷つくとかそんなことはありえますかね。
Dr.小池
そうですね。最近遺伝子変異によって精子が少なくなるって人もいらっしゃいますね。
Dr.大友
なるほど。それは元々少し遺伝子的に精子が弱いような人が、そういう不摂生だったりするライフスタイルをしていることによって精子がダメージを受けてしまうっていうことですか。
Dr.小池
そういうことでいいと思います。
Dr.大友
ということはライフスタイルが良くないとテストステロンも作られなくなってしまうし、精子にも遺伝的なダメージを与えてしまう?
Dr.小池
そういうことですね。精子にとってもよくないですね。
Dr.大友
ダブルパンチ。
Dr.小池
ダブルパンチですね。
Dr.大友
なるほど。ということはライフスタイルを見直すことは。
Dr.小池
非常に大事だと思います。
Dr.大友
ではこの後はライフスタイルについてお伺いしたいと思います。
Dr.小池
はい。
Dr.大友
勉強になりました。
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共あする美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。
日本泌尿器科学会専門医指導医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本排尿機能学会認定医、がん治療認定医、日本臨床腎移植学会腎移植認定医
趣味は90年代洋楽ロック鑑賞となかなか上手くならないゴルフ