

⑤お医者さんも知らない食べると便秘になる食材
Dr.大友 (渋谷セントラルクリニック総院長)
慢性の便秘だと、とかく食物繊維を摂ろうとかプロバイオティクス、例えば乳酸菌の入ったヨーグルトだったり、お漬物だったりを食べような話になりますね。でも食べると便秘になるみたいなものもきっとありますよね。
Dr.菰池(たまちホームクリニック院長)
あるでしょうね。
Dr.大友
聞いた話ですが、熟していないバナナを食べると便秘になると聞きましたが本当ですか?
Dr.菰池
恐らく本当だと思います。熟したものは別として、熟していないものだとデンプンみたいなもの。
Dr.大友
スターチですね。
Dr.菰池
はい。スターチが多いと言われています。
Dr.大友
スターチは消化しにくい。
Dr.菰池
消化しにくいものですよね。
Dr.大友
となると青パパイヤ的なものは宜しくない?
少し渋い感じもあるので、タンニンが多いのかなと思うのですが。
Dr.菰池
熟していないバナナだとか青パパイヤはタンニンが豊富だと思いますので、それも便秘の原因になると思います。
Dr.大友
ただ青パパイヤの場合は食物繊維が多いから良いじゃないと反論されるかもしれない。
Dr.菰池
なるほど。実際に食物繊維も多いですからね。
Dr.大友
便秘の時は熟していないものはどちらかと言うと料理にして食べるといいですね。
ワインラバーとしてはタンニンは良くないという聞きずてならない言葉がありました。タンニンがダメと言うことは赤ワインもダメ?
Dr.菰池
便秘で困っていらっしゃる方はあまりよろしくないとは思いますね。
Dr.大友
それはタンニンが多いからダメと言うことですか?
Dr.菰池
タンニンが多いと言うのもあるかもしれませんけど、アルコールそのものが腸管、あるいは胃、消化器系とには炎症を起こすことはあります。これも量によりますけども。
Dr.大友
飲むことによって腸が浮腫む(むくむ)ような炎症が起きてしまうことがある?
Dr.菰池
あると思います。
Dr.大友
アルコール不耐症ですね。
Dr.菰池
イメージ的にはそうですね。
Dr.大友
アルコールがうまく消化できないと胃腸が傷つくので浮腫んで便秘になる。
Dr.菰池
そうですね。腸管が浮腫むということでしょうね。
それで吸収ができにくくなり、下痢になることもあれば便秘になることもあると思います。
Dr.大友
不耐症の話になるとこの続きに来るのは多分乳糖不耐症とかグルテン不耐症みたいな話になると思うんですが、牛乳はどうですか?
Dr.菰池
便秘で牛乳を飲んでいらっしゃる方は実は多いと思います。
Dr.大友
緩くなるから。
Dr.菰池
はい。それでうまくコントロールができていればそれはそれで決して悪いことではないかもしれませんが一般的には乳製品の摂り過ぎと言うのは便秘を逆に引き起こしてしまうこともあると言われてます。
Dr.大友
乳糖に少し弱くて牛乳を飲むと緩くなっている人が、こうしたことをずっと繰り返していると腸にダメージを受けてしまう人もいるかもと言うことですね?
その一方で乳糖を分解できる人は全く問題ない。
Dr.菰池
そうです。
Dr.大友
実際どうですか?牛乳を飲んでいて便秘だったと言う話とか論文はありますか?
Dr.菰池
日本ではあまり知られていませんが、セリアック病と言いましてグルテン不耐症の方は直接便秘になりやすいかは別として、腸管に慢性的な炎症を引き起こして便秘になる方、下痢になる方もいらっしゃれば、何らかのお腹の不快感を感じる方もいらっしゃると思いますので、それがベストではないとは思います。
Dr.大友
なるほど。単純に便秘だから牛乳を飲んだらシャーみたいな、下剤のような使い方は考えた方が良いと言うことですね。
Dr.菰池
そうですね。それはよくないと思います。
Dr.大友
食物繊維を増やそうとか、もう少し違うアイデアが必要と言うことですね。
Dr.菰池
そう思います。
Dr.大友
乳糖を分解できない人が乳を摂取していると結果的に腸の環境が悪くなるかもしれない。
Dr.菰池
そうですね。腸内環境と最近が良く言われますが、腸内環境が良くなっての快便ではなくて、多分たまたまの原因に傾いて糞便が出るようになっただけと思います。
Dr.大友
なるほど。でも毎日野菜を摂るの大変なんですよね。
Dr.菰池
最近は高いですしね。
Dr.大友
そうするとファーストフードが多くなると思うんですね。ファーストフードとか加工食品とか揚げ物とかどうですか?
Dr.菰池
ファーストフードは食物繊維が乏しいですしフライにされていることもあるのであまり推奨はされません。
Dr.大友
なるほど。揚げ物など純粋に食物繊維が足りないということが問題ですか?
Dr.菰池
それも問題だと思います。
Dr.大友
しょっぱいとか。
Dr.菰池
そうですね。塩分も多いです。ファーストフードは特にですね。体の中が少し脱水傾向になり便秘ぎみに傾きます。
Dr.大友
そうすると今のお話をお伺いすると、タンニンの摂り過ぎは良くないかもしれない。体に合わないものをやめた方がいいかもしれない。それはアルコールかもしれないし、乳糖かもしれないし、グルテンかもしれない。それに脱水もよくない。
Dr.菰池
脱水もよくないでしょうね。水分を多く摂る方がいいわけですから。
Dr.大友
水分を体から出してしまうようなアルコールや塩分の濃いものとかファーストフードには要注意。
Dr.菰池
はい。
Dr.大友
夜の居酒屋でもバーでもいいですけど、生ハムとワインとかは便秘を引き起こすようなものですね。
Dr.菰池
そうですね。もちろん人にもよります。それらを食べたからとすぐ便秘になるわけではないかもしれませんが、少なくとも困っていらっしゃる方は避けた方がいい食事になるかもしれませんね。
Dr.大友
もしくはお水を必ず横に置いて1対2ぐらいの1アルコールに対して2チェイサーを飲んで、野菜のおつまみはしょっぱいのは仕方ないとしても生ハムなどの代りにお浸しみたいな。
Dr.菰池
そうですよね。食物繊維が豊富なお野菜。
Dr.大友
便秘以外のためにも良いですよね。
Dr.菰池
一般的にね。
Dr.大友
と言うことで、便秘から体の全身を考えてみました。
このあとはどう言うお食事を食べたらいいのかをDr.菰池と考えたいと思います。
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほどハリ治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。
日本内科学会認定医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化管学会認定指導医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本ヘリコバクターピロリ学会認定感染症認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本カプセル内視鏡学会認定医、日本医師会認定産業医