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血糖価が気になる人にオススメしたいタラの芽

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山菜の王様と言われるのには理由がある

昔から「山菜の王様」と言われてきたタラの芽。
もともとは”タラの木”の根や樹皮が民間薬として糖尿病や肝臓病の治療に用いられていたのですが、嬉しいことに芽の部分にも同様の効能が。

そのポイントになるのは、苦み。
独特な苦みのもとである「エラトサイド」という成分は糖の吸収を抑えて食後の血糖値が上がるのを穏やかにしてくれるので、タラの芽は山菜の中で最もダイエット向き。

また、タラの芽はビタミンB群のひとつで血糖の代謝を促してくれるビオチン」が野菜類の中でもトップ10入りするほど多い。

ちなみにビオチンは皮膚や粘膜の健康維持にも関わる栄養なので、肌荒れの予防や、抜け毛・白髪に対するアンチエイジング的な効能も期待できますよ。

 

ビオチンとは…

ビオチンは酵母の成長を促す成分として研究が始まり、その成分ビオス(bios)からその名称が付けられました。
また、ビタミンB群の一種であることから「ビタミンB7」、皮膚の炎症を予防に関与することから、ドイツ語の皮膚(Haut)という単語の頭文字をとって「ビタミンH」。
さらに補酵素としても働くため「補酵素R」など、他にもさまざまな名称をもっています。
ビオチンは腸内細菌によっても合成されますが、食品中ではたんぱく質と結びついて存在しており、消化の過程で分離され吸収されます。

ビオチンは水溶性の性質をもっていますが、食材の中ではタンパク質と結合した形で存在しているため水に溶け出しにくい状態になっています。

さらにビオチンのすごい効能効果やどんな食材に含まれているかをお知りになりたい方はこちらをご覧ください。
☛ ビオチン

 



お料理の話に戻りますが、
山菜は油と合わせる事でえぐみや苦味が程よく抜けて旨みに変化します。

タラの芽は脂溶性であるβカロテンを多く含むので、油と一緒に摂ると吸収率もアップします。

今回は細かく刻んでオリーブオイルで超低温でジワジワと火入れをして、Dr.ピエール自家製の味噌を加えて「タラの芽味噌」にしてみました。
それを蒸し焼きにしたアワビに添えて完成!

タラの芽の苦味成分の「エラトサイド」にはアルコールの吸収を抑える効果もあり、アワビに含まれるタウリンには肝臓の機能を高めてくれる効能があるので、絶品の白ワインで舌鼓をうちましたよ。

Dr.ピエール  アワビの蒸し焼き・タラの芽味噌添え

【材料】
タラの芽: 6個
味噌 : 大さじ1弱
オリーブオイル : 適量
アワビ : 2個
赤ワイン : 大さじ4〜

【作り方】
① フライパンにオリーブオイルをあたため、細かく刻んだタラの芽を入れて弱火でじっくり炒める。
② アワビは良く洗って別のフライパンに並べ、ワインを注いで蓋をして蒸し焼きにする。
③ タラの芽が油と馴染んでしんなりしたら、味噌を入れて全体とよく混ぜる。
④ 火が通ったアワビを殻から外して切り分け、お皿に持って③の味噌を添える。

 

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
 渋谷セントラルクリニック代表
 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ 

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