

[ドクターの食卓から] 免疫力を高めるトムヤムクンとそこまで高めないトムヤムクン
世界3大スープのトムヤムクンには2つの種類が?!
世界3大スープとして名高いタイのトムヤムクンには濃い水という意味のトムヤムクン・ナムコンと澄んだ水という意味のトムヤムクン・ナムサイ2種類があります。
この2つの味わいはスープにココナッツミルクが入っているかどうかの違い。
名前は一緒だけれどもテイストはハッキリ異なるので、レストランのメニューでも屋台のオーダーでもどちらのタイプなのかはしっかり明記されています。
そしてピエールが見てきた限り、タイ現地では圧倒的にココナッツミルクなしのタイプを好む人が多い。
トムヤムクンといえばココナッツミルク入りのイメージだったから当初は意外に感じたし、そもそも2種類あることは日本ではあまり知られていないですよね!
ココナッツミルクの入っていない「トムヤムクン・ナムサイ」
ココナッツミルクが入ると免疫力がアップ!
お吸い物のようなクリアーなスープが現地で、いかにもタイ料理っぽい方が日本で人気というのも面白いけど、今日のピエールの気分はココナッツミルク入り。
ココナッツミルクには抗菌作用と免疫力アップに効果的なラウリン酸が沢山含まれている。
母乳の主成分であるラウリン酸がウィルスから守ってくれるので、母乳で育つ赤ちゃんの方が風邪をひきにくいと言う話になっていたのかもしれません。
もちろん赤ちゃんだけでなくて、大人にもメリットがあります。
ラウリン酸は唾液に含まれている酵素と合わさることで体内に侵入するあらゆる病原菌から体を守ってくれる抗菌物質モノラウリンに変化するので、風邪やインフルエンザの予防や治療にも効果的。
また腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らす作用もあるので、お腹にガスが溜まりやすい悩みのある方にもおすすめですよ!
ココナッツミルクの入った「トムヤムクン・ナムコン」
ココナッツミルクで生活習慣病の予防も
ココナッツミルクは、ココナッツの果実の内側に層状に形成された固形の胚乳に水を加え、加熱した後、濾過して作られる乳白色の食品。乳成分は含まれていません。また、ココナッツの果実の中にある透明な液体“ココナッツジュース”とは異なるものです。
ココナッツミルクは栄養価の高い食材で、ラウリン酸での免疫力アップや腸内環境の改善の他に生活習慣病の予防に!
ココナッツミルクに含まれる不飽和脂肪酸には、コレステロール値の改善や中性脂肪を減少させる効果があり、血液をサラサラにして、血流を改善するとともに、糖尿病や高血圧、動脈硬化など生活習慣病を予防します。
植物性脂肪のため、体内で効率良く燃焼しエネルギーを作り出すほか、肥満を予防しダイエットにも効果が期待されます。ただし、ココナッツミルクは脂質ですので摂りすぎにはご注意を。お料理などで少しずつ摂取していただくのがおすすめ。
ココナッツミルクの嬉しい効果はこちら。
- 生活習慣病の予防 不飽和脂肪酸が多く含まれ、糖尿病や高血圧、動脈硬化など生活習慣病を予防します
- 認知症の予防 主成分は中鎖脂肪酸は飽和脂肪酸の一種で、近年アルツハイマー型認知症の予防効果が期待されています
- 骨粗しょう症の予防 カルシウムとマグネシウムが多く含まれます。また、カルシウムの吸収を促進するビタミンDも含まれています
- 便秘の改善 豊富な不溶性食物繊維が腸内環境を整えます
ココナッツミルクには液体ものもとパウダー状のものがありますので、こちらもうまく使い分けてぜひ調理に加えていきたい食材です。
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〔シェフドクター ピエールの正体〕
医師・料理研究家
・日本のみならずロサンゼルス、フランス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた新しい統合医療を提案している。
・料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフや美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
ボルドーワイン騎士団コマンドリー
ブルゴーニュワイン騎士団シュバリエ
シャンパーニュ騎士団シュバリエ
またパリ発祥で国内No1ワインスクールのアカデミー・デュ・ヴァンで’ワインと究極のアンチエイジング’の講座も担当している。