ハーブで抗酸化力を高めたいなら「ホーリーバジル」 ほーりーばじる
ホーリーバジルは日本語でカミメボウキ、英語でホーリーバジル、タイ語でバイガパオ、インドのヒンディー語でトゥルシーと呼ばれるアジアなど熱帯原産のシソ科のハーブです。
ホーリーバジルは、もともとインドの伝統医学アーユルヴェーダで「滋養の霊宝」として珍重されてきたハーブの女王とも呼ばれています。インドの各家庭では家族の健康を守るために庭先にホーリーバジルを植えていると言われています。葉を毎日食べれば医者いらずということわざもあるそうです。
ホーリーバジルは強い香りとスパイシーな風味ですが、クセがないためバジルの代用にもなります。日本でも人気のタイ料理、ガパオライスのガパオはホーリーバジルのことです。タイでは”ホーリーバジルがなくては始まらない”と言われるくらいホーリーバジルがメインの一皿です。
ホーリーバジルの収穫は6月~10月頃です。
栄養素
ホーリーバジルには抗酸化作用の強いβ-カロテンやビタミンEが豊富で、カルシウムや鉄、マグネシウムなどのミネラルが含まれています。
ホーリーバジルの独特の香りにはリナロールやオイゲノールという成分が含まれており、食欲増進効果や鎮静作用、抗菌作用なども期待できます。
ホーリーバジルの葉の緑色にはβ-カロテンが多く含まれていることから抗酸化作用も期待できます。
ビタミンやミネラルのような直接的な栄養素の一種とは異なるアダプトゲンという化合物を含んでおり、からだの中の細胞システムに直接働きかけ、人が抱える心身のストレスに対処したり、適応することをサポートしてくれます。
ホーリーバジルの栄養成分(可食部 100g あたり)
・エネルギー・・・24kcal
・タンパク質・・・2g
・炭水化物・・・4g
・ナトリウム・・・1g
・カリウム・・・420mg
・カルシウム・・・240mg
・マグネシウム・・・69mg
・リン・・・41mg
・鉄・・・1.5mg
・亜鉛・・・0.6mg
・銅・・・0.2mg
・マンガン・・・1.91mg
・β-カロテン・・・6300µg
・ビタミンC・・・16mg
・ビタミンK・・・440µg
・ビタミンB1・・・0.08mg
・ビタミンB2・・・0.19mg
・ビタミンB6・・・0.11mg
・ナイアシン・・・0.6mg
・葉酸・・・69µg
・パントテン酸・・・0.29mg
効能・効果
■ストレスが原因の症状
ホーリーバジルの持つ芳香(リナロール成分)が安眠効果を与える事で心を癒しリラックスさせると言われます。
不眠を解消させたり、精神不安を軽減させたりとストレスの緩和に効果を与えるとされています。また、疲労の軽減や免疫力をアップする事で病気にかかりにくくする他
■血液浄化作用
血流を整えたり、血液を浄化する作用があると言われています。
骨髄中の血液成分となる細胞やすべてのリンパ細胞に働きかけ、赤血球・マクロファージの回復や再生促進を促すとされています。また、放射線から白血球や骨髄の染色体を保護する働きや、高血圧の血圧降下作用、コレステロール値を下げる効果も実証されています。
■腸内環境・消化器系を整える作用
嘔吐や腹痛、下痢、便秘など、腸内の状態が悪くなり起こる症状の緩和や予防に効果があるとされています。
■女性特有の症状
生理痛・PMS・生理不順・更年期障害などの影響の緩和。ホルモンの状態を整える事でアンチエイジングにも良いとされています。
■高血糖値や高血圧を緩和
糖尿病患者にホーリーバジルを摂取してもらったところ、血糖値の数値が下がったとの研究結果もあります。また、強い抗酸化効果により血糖値を減少させ糖尿病の治療に役立つ他、コレステロール値の改善効果も発見されています。
■オイゲノール
精油に含まれる芳香成分の一つであるオイゲノールが多く含まれています。抗酸化作用、殺菌作用、消臭作用、歯痛・腹痛・胃痛の鎮静効果、風邪の予防と改善、老化防止、動脈硬化防止、、強壮作用、様々な不安やトラウマなどによる精神な疲弊感やストレスから精神状態を癒し鎮める働きがあるとされています。
■アンチエイジング効果
若々しさに不可欠な「DHEA」と呼ばれるホルモンを活性化させ、新陳代謝を促進し ます。肌のターンオーバーが正常化され美肌効果が期待できます。
東洋医学的側面
・寒熱:温(体を温める)
・昇降・収散・潤燥:昇(気や熱を上昇させる)・散(気を体の外へ出す作用)
・臓腑:肺、脾風邪の
・五味:甘(補い滋養する作用)・辛(発散、気を巡らせる作用)
・毒性:なし
消化促進
精神を安定させ
風邪の予防
栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法
ホーリーバジルを選ぶときは葉がみずみずしく香りが強く感じられるものを選びます。色が黄色くなっているものや黒い部分が多いものは避けましょう。
ホーリーバジルは水に濡れたままの状態にしておくと、直ぐに黒ずんでしまいます。水気を切ってから冷暗所で保管をしてください。
生葉の場合は、2~3日が目安です。長期保存をする場合は、水気をしっかり切ってから冷凍庫に保管するか乾燥させてしまうとよいでしょう。
ホーリーバジルに含まれるβ-カロテン、ビタミンK、ビタミンEは脂溶性の栄養素なので、油と同時に摂取することで体内に吸収されやすくなります。
ペースト状にしてソースにしても美味しくいただけます。
ハーブティーとして飲まれることも多く、ホーリーバジルティーにはカフェインが含まれていないため、妊婦さんや年齢、体調を問わずに摂取することができます。