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栄養価が高く滋養強壮が期待の「松の実」 まつのみ

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松の実は日本ではあまり食べることのない食品ですが、栄養価が高く古くから世界中で貴重な食糧として利用されてきました。旬は9月~11月の秋となります。

栄養素

松の実は良質なタンパク質が豊富で、ビタミンBや食物繊維に加えミネラルもバランスよく含まれているため、滋養強壮に良い食品として利用されてきました。

ビタミンB群には新陳代謝を活性化させる働きがあり、血行促進効果が期待できます。ビタミンEは抗酸化作用があり老化防止や免疫力アップの効果があります。 

松の実には、抗酸化作用のある不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。不飽和脂肪酸は血中コレステロールを調整して動脈硬化や高血圧を予防する他、腸内で便の潤滑油として排泄をスムーズにする効果もあります。

そして、松の実に豊富に含まれているのが亜鉛です。松の実は「陸の牡蠣」と言われるほどに亜鉛の含有量が多く、鉄分も含まれるため貧血の予防や改善に効果的です。また、亜鉛は薄毛の原因となる男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の働きを抑制するため抜け毛予防の効果も期待できます。

松の実の主な栄養成分(可食部100g本あたり)

食物繊維・・・6.9g
亜鉛・・・6mg
ビタミンE・・・12.3mg
葉酸・・・73㎍
カリウム・・・620mg

効能・効果

動脈硬化予防:不飽和脂肪酸が血液をさらららにし悪玉コレステロールを低下させます。

便秘改善:食物繊維が腸内環境と整え不飽和脂肪酸が排泄をスムーズにします。

貧血予防:鉄分、葉酸、亜鉛など血液に欠かせない成分が含まれており貧血を予防、改善します。

美肌効果:ビタミンEの抗酸化作用により肌の老化を防ぎます。

東洋医学的側面

・寒熱:温(穏やかに体を温める)
・昇降・収散・潤燥:昇(気や熱を上昇させる)
・臓腑:肝、肺、大腸
・五味:甘(補い滋養する作用)
・毒性:なし

便通の改善
肺を潤して咳を止めます
めまいやふらつきを取り除きます

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

日本で松の実を採取して食べることはほとんどないと思いますが、種から取り出した松の実は酸化防止のために冷蔵庫で保存します。

松の実は炒ると香ばしい香りがして、色々な料理に入れて楽しむことができます。カロリーが比較的高いので一日に20粒程度が目安です。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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