200万円のワインよりポリフェノールが豊富に含まれる日本生まれの食材は?
日本生まれの山ぶどう
世界中からの投機マネーが流れ込んでいることもあり、ここ数年最近ワインの値上がりがすさまじい。
こうした投資の基準を作ってきたのがアメリカ人評論家のロバートパーカー氏。
彼が初めてブルゴーニュワインとして初めて100点をつけたのが、1985年のロマネ・コンティとドメーヌ・ルロワのオスピス・ド・ボーヌ マジ・シャンベルタン。
今回は市場価格は200万円超えたと噂のドメーヌ・ルロワの方を先輩にご馳走になることに。
艶かしさのある香り、美しい舌触りそして果実感だけでなく、身体が持ち上がるような浮揚感が素晴らしい。
山ぶどうで英気を養う
これだけの偉大なワインに合わせてどんなお食事がでるのかなと思っていたところ、医食同源にも造詣が深い田代シェフが供してくださったのが写真の一皿。
お肉よりもDr.ピエールが気になったのが、日本生まれの山ぶどう。
ワインの健康効果はご存知ポリフェノールによるものが大きい。
山ぶどうは1粒がとても小さいにもかかわらず、なんとポリフェノール量は一般的なぶどうの約8倍なのです!
そもそもポリフェノールとは、植物が作り出す色素や渋み、苦み、アクなどの成分で自然界には数千種類あるといわれている栄養素です。植物の光合成により作り出される成分のため、ほとんど全ての植物に存在しています。
人間の体内にある酸素の2%は有害な活性酸素に変化し、活性酸素は細胞や遺伝子などを傷つけます。そのため、活性酸素を放っておくと、やがては、がんや動脈硬化などさまざまな病気の原因になったり、細胞や血管の老化を引き起こしたりします。
そこでポリフェノールの強力な抗酸化作用によって体内で発生した活性酸素の除去や抑制を行うのです。つまり、ポリフェノールを摂取することにより、病気やからだの老化などを防ぐことができるのです。
代表的なポリフェノールを挙げると
- アントシアニン
ブルーベリーやカシスなどに含まれる青紫色の色素で、視力の回復や肝機能改善する働きがあります。 - レスベラトール
ぶどうやサンタベリーなどに含まれるポリフェノールで、長寿遺伝子といわれるサーチュイン遺伝子を活性化させ、細胞の生まれ変わりを促進し、アンチエイジングに効果があります。 - クルクミン
ウコンに含まれる黄色の色素です。肝機能の改善や胆汁酸の分泌促進、アルコールの代謝を促進します。二日酔いの予防にも役立ちます。 - カテキン
緑茶や紅茶などに多く含まれる独特の渋みが特徴のポリフェノールです。脂肪の吸収を抑える働きがあり、ダイエットに役立ちます。また、抗菌・殺菌作用が強く虫歯や口臭の予防にも効果があります。 - イソフラボン
大豆に多く含まれるポリフェノールで、女性ホルモンに似た働きがあり、更年期障害の緩和に効果があります。また、血行を促進し、冷え症を改善する効果などもあります。 - ルチン
そばやイチジクなどに多く含まれるポリフェノールです。血管を強くする作用や血圧を下げる効果があります。
ワインは楽しくお食事するのには欠かせませんが、最大の問題は飲み過ぎるとからだを酸化させてしまうこと。
こうしてお料理に山ぶどうが付け合わせているのは、健康のことも考えているシェフからの嬉しいプレゼントと受け取りました。
今が旬の山ぶどうはお食事の時だけでなく、休肝日に食べて英気を養う必要がありそうですね!
ラ・ブランシュ
東京都渋谷区渋谷2丁目3-1
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ