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アブラナ科の優等生「カイラン菜」の健康パワー

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腸から免疫力を支えるカイラン菜のはたらき

タイや広州で仕事をしていると、毎日一度は必ずカイラン菜を食べる機会があります。

カイラン菜はアブラナ科の野菜で、英語のメニューでは「チャイニーズケール」や「チャイニーズブロッコリー」とも呼ばれています。葉や花はやや苦味がありますが、茎は甘みがあり、食感はアスパラガスに似ています。クセがなく、毎日食べても飽きない味わいです。
栄養面でもカルシウムβカロテン、熱に強いビタミンCが豊富に含まれており、推奨できる野菜です。

中国では、カイラン菜がコース料理の最初に提供されることが一般的です。これは単なる習慣と思われがちですが、医学的にも大きな意味があります。食事を摂り、消化・吸収することは体にとって大きな免疫的ストレスとなりますが、アブラナ科の野菜を食事の始めに摂ることで、腸内の免疫力が高まり、腸への負担を軽減することができます。

アブラナ科の野菜には、ブロッコリー、キャベツ白菜ケールカブルッコラ、ラディッシュ、ワサビなどが含まれます。これらの野菜は、肉料理と組み合わせて食べられることが多いです。

低温調理で旨みを引き出す、おススメの食べ方

アブラナ科野菜に豊富に含まれる食物繊維は、食事中に摂取することでダイオキシン、水銀、鉛などの有害物質の吸収を防ぐ働きがあり、保険的な役割も期待できます。

カイラン菜の調理法としては、以下のような方法が挙げられます。

  1. カイラン菜の上に刻んだ唐辛子とニンニクをのせる。
  2. 少し温めたスープをかける。現地では鶏ガラスープが一般的ですが、鰹出汁や野菜ストックでも美味しく仕上がります。
  3. 油をひいた低温のフライパンで、塩、オイスターソースや中国醤油とともにゆっくりと炒める。
  4. 高温で調理しないことで、時間が経っても野菜から水分が出にくくなります。

最近は、レストランで消費されてきた小さめのタイ種や香港種のカイラン菜も見かけるようになりました。ご自宅でもぜひお試しください。

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ

 

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