あられ蕎麦は冬の最高の贅沢なり
お江戸の粋は高級食材
12〜1月に江戸で愛されたのが「あられ蕎麦」
お蕎麦の上に敷いた海苔に、青柳の小柱を散らしたものです。
小柱を寒空から落ちてくる霰(あられ)に例えた辺りが江戸の粋。
青柳は「馬鹿貝」とも呼ばれるくらい馬鹿みたいにたくさん獲れたことから、あられ蕎麦はかつては街中どこでも食べられるお蕎麦だったそう。
ところが現代では海の汚染と海水温の上昇、乱獲などにより漁獲量が激減。すっかり超高級食材となってしまい、今では限られたお蕎麦屋さんや料理屋さんでしか見られないようになってしまいました。
特に小柱の中でも大星と呼ばれる大きなものは貴重とされ、価格も更に上がります。
そんなわけで実はこの日いただいたあられ蕎麦も、1杯3000円超とお蕎麦としては贅沢すぎるお値段!
蕎麦越しに環境問題を考える
でも年に一度こうして、海苔越しに少しずつ火が入って半生になっていく小柱とお蕎麦のマリアージュを楽しむことは、1年間頑張ってきた自分へのご褒美であり、これからの環境のことを考える良いキッカケになります。
これからも青柳に限らず、こうした貴重な資源を残していくために、何をしていけば良いのか考える一夜になりました。
室町砂場 赤阪店
東京都港区赤坂 6-3-5
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ