

アンコウのパエリアでダイエット中でも免疫力アップした話
免疫力低下の原因と栄養素の重要性
外来診療をしていると、免疫力が下がる原因は単にカロリー不足ではなく、栄養素の不足による「栄養素失調」であることが多いと感じます。
特に、タンパク質やビタミン、ミネラルが不足すると、免疫力が低下するだけでなく、痩せにくくなることもあります。
免疫細胞はタンパク質で作られ、ビタミンやミネラルはその働きをサポートする重要な役割を果たします。これらを意識して食事を考えることで、免疫力は大きく低下しにくくなります。
中でも重要なのはビタミンC、D、Eや、セレン、オメガ3脂肪酸と言われていますが、何とそのうちビタミンC以外の全てをトップクラスで含む食材、それが「あんこう」と「あん肝」なのです。
アンコウとサフランの相乗効果
今回、お寿司屋さんでいただいたアンコウのパエリアには、この重要な栄養素が詰まっていました。
あん肝にはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれ、インフルエンザウイルスの複製を抑える効果が期待できると言われています。また、ビタミンEやセレンは活性酸素から免疫細胞を守り、有害物質を体外に排出する働きを持ち合わせています。
さらに、ここでも何度も取り上げているビタミンDはコロナウイルス関連のリスク要因にも影響を与えることが認められています。
一方で、あん肝に含まれないビタミンCを補う役割を果たすのがパエリアに使われたサフランです。
1gを採るのに300本もの花が必要になるというこの希少スパイス。
この希少なスパイスにはビタミンCだけでなく、抗酸化作用の強いβカロテンやクロシンも含まれており、アンコウとの組み合わせで免疫力アップに最適な一皿でした。
寿司いずみ
東京都目黒区下目黒6丁目6−9
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ