本当のバイク乗りが愛した巻き揚げ
伝統的な広東料理 「巻き揚げ」
巻き揚げというと日本では湯葉で巻いて揚げたものが一般的ですが、広東料理では網脂で包んで揚げるのが伝統的やり方。
網脂は牛や豚の内臓の周りにある網状の油で、見た目は白いレースのよう。
フランス料理で赤身などサッパリしたお肉やハンバーグを包んで、油の旨味やコクをまとわせるのを見かけたことがある人も多いのでは??
ただ、網脂の巻き上げは仕込みにとても手間暇がかかるし、網脂のロスも出るので扱うレストランが年々減っている。
それでも横浜中華街では伝統的な巻き上げを作り続けているお店が残っていて「楽園」の巻き揚げはその中でも記憶に残る逸品。
巻き揚げの中身はお店ごとに違いますが「楽園」の具材は椎茸やタケノコなどのお野菜にエビ、カニ、焼豚とオールスター級。
揚げたてをほおぼるとサクッととしていて、噛み進めるほどに口の中で脂が具材を包みながら柔らかくほどけてゆく触感。
これは湯葉や春巻きなど他の包み揚げにはない、古くて新しい食体験だと思います。
タケノコで脳を活性化
Dr.ピエールの注目するのはタケノコに含まれるチロシン。
旨み成分であるチロシンが新陳代謝を高め、脳を活制化して老化を防止!
またチロシンはドーパミンや甲状腺などのホルモンの材料にもなるため、やる気や集中力を高める効果も期待できます。
ところで、このお店を知ったのは革ジャン、ロン毛のいかついオジサンにナンパされたから。
というと変な話だけど、他のお店で並んでいたら待ちかねた後ろにいたオジサンが一緒に他のお店にって連れて行ってくれたのが楽園だった。
実はこの方はケンタウロスというバイク乗りを束ねる大将で、ご自身が連載漫画になったり、美味しんぼに登場したりする飯田さんという有名人だった。
飯田さんにはその後もご自身が手掛けられる能舞台に呼んでいただくなどお付き合いさせていただいていましたが、その後研修医として働いているうちに連絡が途切れてしまった。今でもお元気だと良いのですが。。。
巻き揚げをメニューに見つけたときはいつもこの日のことを思い出します。
皆様も是非お召し上がりになってくださいね。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ