⑧ 潰瘍性大腸炎でズバリ避けるべき飲み物
Dr.大友 (渋谷セントラルクリニック総院長)
これまで潰瘍性大腸炎の食べ物の話をお伺いしました。
次は潰瘍性大腸炎の方はどんなものを飲んだらよいのか?つまり飲み物で気をつけるべきこともお伺いしたいなと思います。
10代、20代だとビールというよりは炭酸水とかが問題になるのですか。
Dr.菰池 (たまちホームクリニック院長)
炭酸水というか炭酸ドリンクですね。ジュースも含めて。
Dr.大友
コカコーラとかペプシコーラとか、セブンアップとかスプライトとか。そういう炭酸の甘い水ですね。
Dr.菰池
そうしたものはやはり胃腸には負担かけると思うので避けた方がいいですね。
実際にアメリカでは潰瘍性大腸炎は非常に多いんです。
アメリカの研究でファーストフードを食べるときに炭酸ドリンクを一緒に飲まれる方は長期的に見ると症状が悪くなりがち、つまり再燃率が上がるといわれています。
Dr.大友
なるほど。再燃というのはもう一回悪くなってしまうことですね。
僕はペリエとか炭酸のウォーター、砂糖が入っていないのが好きなんですけど冷たくしないで飲めば大丈夫ですか。
Dr.菰池
常温でということですよね。
Dr.大友
常温で。
Dr.菰池
まぁ調子が良い時はいいと思います。
Dr.大友
調子が良い時はいい。
Dr.菰池
当然、潰瘍性大腸炎に活動性の炎症がある、つまりたまにお腹が痛くなるなとか下痢が出るなとか血便が出る時はもちろん避けて頂いた方が良いと思います。
Dr.大友
活動性と活動性じゃないと言うのは難しいのですが、活動性と言うのはお腹が痛くなったり下痢をすることが1週間のうちに1度でも2度でもあったら、もうよろしくないと言うことですね。
Dr.菰池
そうですね。
Dr.大友
1か月に1回ならいい。
Dr.菰池
うーん、それの方がマシじゃないでしょうかね。
ご自分の症状と内視鏡をした時の改善度というものが比例しているかどうかと言うのはわかりませんので非常に難しいですよね。
その潰瘍性大腸炎による腹痛なのか、過敏性腸症候群(IBS)と言うタイプによるものの腹痛なのかは見分けは非常に難しいです。
Dr.大友
なるほど。
Dr.菰池
あとは前の日に食べたもの、例えば牡蠣にあたったと言うだけのケースもあるでしょうし。
Dr.大友
なるほど。突発的な感染症のこともあるかも。でも感染症の時は血は混り合わないですよね。
Dr.菰池
O-157とかだと混ざることもありますが、ちょっとやっぱり違いますね。
Dr.大友
なるほど。飲み物の話に戻りますが、ほかに気を付けるべきものは?
コーヒーとか。
Dr.菰池
コーヒーとかは推奨はできないですけれども、調子が良い寛解状態の時は飲んで頂いてもいいとは思います。
炎症がある時は避けた方がいいと思います。
Dr.大友
アルコールはどうでしょうか。
Dr.菰池
アルコールも寛解状態の場合では飲んで頂いても良いと思います。
ただ潰瘍性大腸炎ではない方でもお酒を飲み過ぎて下してしまうことがあるわけですから、飲み過ぎということには注意して頂いたほうがいいですね。
Dr.大友
やはり基本的に潰瘍性大腸炎の方は胃腸は弱いんですよね?
そうしたものを摂り過ぎると仮に症状はなくてもダメージは受けてるわけですよね。
Dr.菰池
そうですね。
なのでアルコールを飲むことでダメージをぶり返してしまう確率は病気じゃない方よりは高くはなると思いますね。
Dr.大友
ということはアルコールは避けた方がいいんですね。
Dr.菰池
避けられるんだったら避けた方がいいでしょうね。
Dr.大友
積極的に飲みに行く必要は。
Dr.菰池
ないでしょうね。
Dr.大友
ないということですね。お付き合いの範囲で1杯2杯ということですね。
Dr.菰池
はい、そうですね。
これも難しいところでね。20代の方でお酒の席なんかもあるでしょうから全てをお断りされると言うのも難しいんでしょうけども、選択肢として断れるんであれば飲まない方が良いと思います。
Dr.大友
ということで潰瘍性大腸炎の方は何を飲んだらよろしいですか。
Dr.菰池
普通のお水とかお茶に関しては全く問題ありません。
潰瘍性大腸炎で少し炎症がある時なんかでも先ほどのお話で脂肪分の少ない水分は摂って頂いてもいいと思います。
ただ刺激物と言うのは胃腸の動きを刺激してしまいますからできるだけ常温に近い感じの飲み物で飲んで頂いた方がいいと思います。
Dr.大友
冷たすぎず熱すぎず。
Dr.菰池
はい。
Dr.大友
お白湯ぐらいの温度が一番カラダにとっては優しく飲めると。
Dr.菰池
そうですね。
Dr.大友
勉強になりました。ありがとうございます。
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。
日本内科学会認定医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化管学会認定指導医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本ヘリコバクターピロリ学会認定感染症認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本カプセル内視鏡学会認定医、日本医師会認定産業医