⑥ 潰瘍性大腸炎は脂肪を避けることが大事

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【Dr.大友とDr.菰池の対談動画はこちらをclick】

Dr.大友(渋谷セントラルクリニック総院長)
高カロリーだけど低脂肪、潰瘍性大腸炎って、もしかして炭水化物ラバーには夢のような食事かもしれないですね。
今のご時世は糖質制限が話題になっていて糖質の摂り過ぎはあまり良くないみたいな感じもありますが、潰瘍性大腸炎の方に関してはそうでもないかもしれないと言うことですか。

Dr.菰池 (たまちホームクリニック院長) 
んー、まあそうですね。
炭水化物ラバーなんていう話が今出ましたけど、20代、30代の若い方と言うと炭水化物が好きな方は多いですよね。
糖質を制限したからと言って良くなるわけではないですから、そういう意味では積極的に摂った方が良いという意味ではもちろんないですけども、炭水化物を制限する必要はないと思います。

Dr.大友  
ただ炭水化物と言っても脂肪とくっついていることもありますからね。
白いおにはは含まれていませんけど、ケーキはだめですよね。
生クリームとか、バターがいっぱいだし。

Dr.菰池 
避けた方がいいでしょうね。

Dr.大友  
デニッシュもダメですよね。 

Dr.菰池 
デニッシュもそうでしょうね。

Dr.大友
クロワッサンもダメですよね。

Dr.菰池 
クロワッサンもそうか、そうかもしれないですね。

Dr.大友 
と言うことですよね。そういうものは宜しくないと
言うことですよね。

Dr.菰池 
そうですね。

Dr.大友 
そうするとどんなものがお勧めですか?
そうめんとか?蕎麦とか?

Dr.菰池 
そうめんとか蕎麦、うどんは良いかもしれないですね。

Dr.大友 
蕎麦よりうどん。食物繊維が少ないから。

Dr.菰池 
そういう意味ではそうですね。

Dr.大友 
なるほど。

Dr.菰池 
あとは例えば入院している時とかどこの科でもそうですけどお粥が出ると思うんですよね。

Dr.大友 
お粥。

Dr.菰池 
潰瘍性大腸炎も腸の病気なので、普通の白米と言うよりはお粥が出るかもしれません。
なのでちょっと悪くなってきたなっていう方は入院してなくてもお粥にするとかっていうことは生活の知恵じゃないですけど、病気と付き合う意味では良いかもしれないですね。

Dr.大友 
炭水化物はOKだけど食物繊維もまた少ない方が良いというストーリーからすると、フレッシュジュースなんかも繊維質が残っていたらよくないですよね。

Dr.菰池 
そうかもしれませんね。繊維が多いのでね。

Dr.大友 
最近、流行っているコールドプレスジュースみたいな繊維質がないようなものを摂った方が良い?

Dr.菰池 
コールドプレスジュースの方がお腹には優しいでしょうね。

Dr.大友 
ビタミンも吸収できるし、も吸収できるし。でも食物繊維は少なめということですね。

Dr.菰池 
そうですね、ビタミンの吸収というのは大事です。

Dr.大友 
なんとなく普通の人からすると、炭水化物が多くて高カロリーでというともう太りそうです。
実際のところ潰瘍性大腸炎の方と言うのはどうなんですか。太りやすいんですか、太りにくいんですか。

Dr.菰池 
寛解期と言いまして潰瘍性大腸炎が落ち着いた状態に近い方は、当然徐々に太りやすい体質にはなるとは思います。

Dr.大友 
吸収が戻ってくるから。

Dr.菰池 
そうですね。
ただ大腸の粘膜に活動性の炎症があると、消化というより吸収、つまり水分の吸収が悪くなってしまうので、たくさん食べてもそこまで太りにくい体質だと思わない。

Dr.大友 
なるほど。太るというのは良いことではあったと言うことですよね。

Dr.菰池 
そうですね。

Dr.大友 
太れるような状況になって来たんだから。

Dr.菰池 
そうですね。腸の状態としては多分良い状態なんでしょう。ただトータルのバランスとしてはどうかはわからないですけれども。

Dr.大友
太りやすくなってきたと言うことは逆に言うと腸の状況もよくなってきているから、少し炭水化物の量を減らして、そこまで食物繊維を制限し過ぎなくてもみたいな感じでよろしいですか。

Dr.菰池 
はい。そういうのでもいいと思います。

Dr.大友 
一般的な健康に良いとされる、
腸内環境を良くするような食事の方向に進んでいくこともありですか?

Dr.菰池 
そうですね。
一生食事制限をしなければいけないと言うわけではないですから、主治医の先生とよく相談されると良いと思います。
定期的に血液検査とか内視鏡の検査をして頂いて、寛解状態(病気が治ってるに等しい状態)ですよと言われている間は、あまり厳しい食事制限と言うのは考えなくてもいいかなと思います。

Dr.大友 
でも避けた方がいいものは避けておくということですね。

Dr.菰池 
そうですね。OKが出たからと言って自己診断で何でも食べていいと思っているといつかは再発してしまう。

Dr.大友 
つまりコントロールが大事ということですね。

Dr.菰池 
そうですね。

Dr.大友 
非常に勉強になりました。このあとは食物繊維についてお伺いしたいと思います。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

菰池信彦 たまちホームクリニック院長

日本内科学会認定医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化管学会認定指導医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本ヘリコバクターピロリ学会認定感染症認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本カプセル内視鏡学会認定医、日本医師会認定産業医

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