うつと体重増加はどう関係しているのか

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Dr.大友 (イシペディア編集長)
Dr.河村、うつっぽいと太りやすいって聞いたんですけど本当ですか?

Dr.河村(渋谷セントラルクリニック院長)
うつっぽいから太りやすいというのは正しいとも言えるし、正しくないとも言えます。例えば、うつっぽくて過食をしてしまう人もいるし、うつっぽくて食欲が落ちる人もいるからね。

Dr.大友
また一概にうつっぽいと言っても、抑うつ状態からうつ病まで病気の程度にも色々あります。

Dr.河村
はい。また病気の程度だけではなく抗うつ薬などのお薬も関係します。

Dr.大友
確かに抗うつ薬を飲んで太る人もいます

Dr.河村
また興味深いことに、太りやすい抗うつ薬と太りにくい抗うつ薬もありますね

Dr.大友
ということで、今回はうつにまつわるダイエットや体重増加の話をDr.河村と対談したいと思います。

Dr.河村
まずご理解していただきたいことは、うつ状態とうつ病は異なることです。うつ状態だからといって、必ずしもうつ病とは限りません。

Dr.大友
うつ状態というのはとっても気がメイってしまっているような状況ですよね。これは誰しも経験することがあると思います。

Dr.河村
はい。うつ状態というのは、肉親の死、引っ越しなど何か特別なイベントで生じることもありますし、様々な体の病気やお薬などで引き起こされる可能性もあります。

Dr.大友
私の専門分野である慢性の痛みの経過次第ではうつ状態になってしまう方もおられます。

Dr.河村
誰しも悲しいことが起きたとき、つらい思いをしたとき、うつっぽくなります。うつ状態とうつ病をどう区別するかというのは非常に難しいですが、一般的には日常生活が継続的に脅かされるような状況になるとうつ病と診断されることも多いようです。

Dr.大友
やはり症状の重さとエピソードからどれぐらい長い間、症状に悩んでいるかが大事ということですね。
うつ病の症状としてあげられることは何ですか?

Dr.河村
大人、思春期、老年期の症状は少し異なるかもしれません。

【大人のうつ症状】

  • 落ち着かなくなってしまう
  • 意味もなく悲しくなってしまう
  • 食欲が落ちてしまう、体重が減ってしまう
  • 食欲が増してしまう、体重が増加してしまう
  • 過度な睡眠
  • 疲労感
  • 物悲しさ
  • 絶望感、自分に価値がないという思い
  • 希死念慮(死んでしまいたいと思う気持ち)
  • 不眠
  • 特定のお食事への固執(そればかり食べたくなってしまう)
  • 思考力や集中力の低下
  • 全ての事に楽しみがなくなってしまう
  • 性欲の低下
  • 物事をテキパキと決められなくなってしまう
  • 腰痛や肩こりの悪化

【思春期のうつ症状】

  • 不安と怒り
  • 社会とのつながりを消したいと思う気持ち

【老年期のうつ症状】

  • 部屋から出たくないと思う気持ち
  • 人生が面白くない、人生に満足できない気持ち
  • 希死念慮(死んでしまいたいと思う気持ち)

Dr.大友
全く真逆の症状が出ることもあるのが不思議ですね。
いずれにしても、こうした症状が引き続くことで日常生活が十分に送れなくなってくると、うつ病を心配する必要があるということですね。

Dr.河村
日本では症状でうつ病とかうつ状態と診断される傾向にあります。
非常に重要なこととして、うつ病の診断は身体疾患などのさまざまな原因の可能性を取り除いてなされるべきというのが世界の常識となっています。

Dr.大友
貧血(貯蔵鉄不足)ビタミンDの低下などの栄養素の問題から、慢性の痛みや機能性ディスペプシア過敏性腸症候群(IBS)などの病気に付随するうつ状態までいろいろありますね。

Dr.河村
その通りですね。貧血(貯蔵鉄不足)、ビタミンDの低下や機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群(IBS)などの状態はTNF-αと呼ばれる慢性炎症を引き起こすことによってインスリン抵抗性が生じてしまうことが知られています。

Dr.大友
Dr.河村とも前に対談しましたが、インスリン抵抗性を引き起こすと太りやすくなるということでしたね。

Dr.河村
少し難しい話ですが、TNF-αと呼ばれる慢性炎症はうつ状態や慢性の痛みの原因となります。

Dr.大友
つまり体重増加とうつ状態、慢性の痛みは原因を同じくしている可能性があるということですね。

Dr.河村
その通りです。

Dr.大友
ありがとうございます。この後は抗うつ薬などの精神科の薬が体重増加にどのように関わっているのかをお聞きしたいと思います。

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

河村優子 渋谷セントラルクリニック 院長

医学博士、日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、特定認定再生医療等委員会 委員、FTP認定マットピラティスインストラクター

ダイエットをこよなく愛する女性医師。そのため患者さん目線でダイエットが上手くいかない原因を追究している。大友と同じくボルドーワイン、ブルゴーニュワイン、シャンパーニュワイン騎士団、日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のメンバーでもある。

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