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疲れているときは鉄分豊富な「キンシンサイ(金針菜)」 きんしんさい

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金針菜は「キンシンサイ」と読みますが、またの名をワスレグサとも言います。中国では萱草と呼ばれ、その花のつぼみが金針菜です。

旬は6月~10月です。金針菜を一番よく目にするのは中華料理だと思います。本格的な中華料理店を中心に日本でも見られるようになってきました

 

DR大友は金針菜の薬膳スープを疲れているときにほっこりするので良くいただきます。

 

栄養素

金針菜は鉄分がとても豊富で、ほうれん草の20倍にもなります。鉄分は吸収率が悪く欠乏しやすいミネラルで、不足すると貧血や冷え性、頭痛など体にさまざまな不調が現れます。特に、妊娠中の女性には不足しやすい栄養素で、貧血や冷え、妊娠中の女性にとって必須のミネラルと言えます。

その他にも、ビタミンB1B2Cカロチンなども豊富に含まれています。これらのビタミンは免疫力を高め、神経機能を正常に働かせる作用があります。また、豊富なビタミンCが鉄分の吸収を促進します。

また、カルシウムも豊富です。カルシウムは丈夫な骨や歯の形成に役立つほか、神経や筋肉、血液中にも存在して心拍を正しく保つ効果があります。

金針菜の主な栄養成分(可食部100gあたり  1パック30g)

エネルギー・・・324kcal
・ タンパク質・・・11.0g
・ ・・・18.5mg
・ 脂質・・・1.0g
・ 
ナトリウム・・・10mg

効能・効果

安眠効果:メラトニン様物質が松果体からのメラトニン分泌を促進し安眠に効果がある。

貧血予防:鉄分が血の巡りを良くし酸素の運搬に重要な働きをして貧血予防に効果がある。

抗うつ効果:アミノ酸の一種であるトリプトファンがセロトニンの合成を促進し抗鬱効果がある。

精神安定:カルシウムなどのミネラルやビタミンが心拍を正しく保ち精神を安定させる。

東洋医学的側面

・ 寒熱:涼(穏やかに体の熱を冷ます)・平(体を温めも冷やしもしない)
・ 
昇降・収散・潤燥:降(気を降ろす)
・ 臓腑:肝、胃、膀胱、脾
・ 五味:甘(補い滋養する作用)・苦(気を降ろす、固める作用)
・ 毒性:なし

体内にこもった熱を冷ます
水分の代謝を促進する
精神安定、消炎解毒

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

金針菜は空気が入らないように密閉袋や容器に入れて湿度の低い冷暗所に保存します。

金針菜は炒めるのがおすすめの調理方法です。また、にんにくを加えるとアリシンの作用で金針菜に含まれるビタミンBの吸収効率が上がります。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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