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食後の消化促進なら「レモンバーム」 れもんばーむ

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レモンバームは南ヨーロッパ原産のシソ科の多年草で、古くから使われて来た薬草の一つです。和名は、コウスイハッカ・セイヨウヤマハッカなどと呼ばれています。

緑色の葉にはレモンに似た芳香があり、レモンと共通したシトラール(ゲラニアール・ネラール)というさわやかな香り成分が含まれており、レモンの香りを付けるのにも利用されています。一見ススキのようで6月、7月、8月に花をつけます。耐寒性や耐暑性があり育てやすいハーブです。レモンバームの旬は4月から11月となります。

栄養素

レモンバームは、栄養素というよりも香りなどの成分の方が体に良い効果をもたらせてくれることが多く、ポリフェノール(ロズマリン酸・コーヒー酸・クロロゲン酸)やタンニン、フラボノイドなどです。レモンバームに含まれる精油成分は、レモングラス油として化学合成の原料(防臭剤・軟膏・殺虫剤の香り付)に使用され、主成分はシトラールです。

レモンバームの主な栄養成分(可食部100gあたり)

蛋白質・・・・・・・・1.82g
脂質・・・・・・・・・0.49g
炭水化物・・・・・・・25.31g
ビタミンB1・・・・・0.065㎎
ビタミンB2・・・・・0.135㎎
ナイアシン・・・・・1.101㎎
ビタミンB6・・・・・0.08㎎
ビタミンC・・・・・・2.6㎎
カリウム・・・・・・・723㎎
カルシウム・・・・・・65㎎
鉄分・・・・・・・・・8.17㎎
マグネシウム・・・・・65㎎
リン・・・・・・・・・101㎎

効能・効果

精油成分には発汗作用があり風邪の症状を緩和します。レモンバームの苦み成分が肝臓や胆のうに作用し消化吸収を助け、消化を促進しますので、食後の摂取が効果的です。脳内のアセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の働きを抑える効果があり、記憶力や学習の低下を改善する効果があります。脳の健康を維持し、ロズマリン酸は認知症を予防する効果があり、精油成分がイライラや興奮を落ち着かせる効果を発揮します。抗菌、抗ウイルス効果により唇ヘルペスなどに良いとされています。

東洋医学的側面

・寒熱:涼(穏やかに体の熱を冷ます)
・五味:辛(発散、気を巡らせる作用)
・毒性:なし

胃の不快症状、消化不振、頭痛や腹痛の緩和、脳の働きを良くする

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

レモンバームにはフレッシュハーブとドライハーブがあり、フレッシュハーブは茎がしっかりしていて葉がピンと張りみずみずしいものを選び、黒い斑点などが出ていないものを選びましょう。保存方法としてフレッシュなものは乾燥しないように密封出来る袋に入れ冷蔵庫で保存し、長期保存の場合は、乾燥させるか、または冷凍して保存して下さい。
香りが揮発しやすいので、調理する場合には加熱しすぎないように気をつけましょう。香りを楽しみ、成分を損なわずに取り入れるためには、フレッシュハーブのサラダですが、レモンバームティーなども美味しいです。しかし、摂り過ぎには副作用がありますので注意が必要です。特に妊婦や授乳中の方は気をつけて下さい。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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