① 前立腺がんの増加とライフスタイル
Dr.大友
渋谷セントラルクリニック エグゼクティブディレクター
本日は、JR東京総合病院泌尿器科部長のDr.小池に前立腺がんの話をお伺いしたいと思っています。
いきなり質問ですけど、前立腺って女性には無いですよね。
Dr.小池
JR東京総合病院 泌尿器科部長
そうなんですね。無いですね。
Dr.大友
無い・・・ってことは、前立腺がんになる人は男性だけ。
Dr.小池
男性だけですね。
Dr.大友
女性は(ご自身のためだけなら)カットしていただいても大丈夫です。ところで増えてるんですか?前立腺がんって。
Dr.小池
前立腺がんすごい増えてますね。
Dr.大友
どれくらい増えているんですか?
Dr.小池
1995年と比較して2020年には約6倍になると言われています。
Dr.大友
オリンピックイヤーには6倍。では30年ちょっとの間に前立腺がんの患者さんが6倍になってる。それ何でですか?
Dr.小池
大きく言えるのが、日本人のライフスタイルがちょっと変わってきて、食事を含め欧米化しているということと、今までPSA検診というものがあまり行われていなかったということがありますので、PSA検診で前立腺がんと診断される機会が増えたということが挙げられると思います。
Dr.大友
お食事だったり、ライフスタイルが欧米化していることと、PSAは採血でおこなう前立腺がんの腫瘍マーカーですね。それを受ける人が増えた。
Dr.小池
増えた、ということで繋がっていると思います。
Dr.大友
なるほど。ライフスタイルって言っても欧米化のライフスタイルって色々だと思うんですけど、例えばどんなことが。
Dr.小池
食生活で今まで日本人はあまり肉とかを食べる機会が少なかったと思います。そうした食事のライフスタイルの変化というのはかなり大きいと思います。
Dr.大友
お肉ですか。
Dr.小池
はい。
Dr.大友
それ以外に何かありますか。
Dr.小池
やっぱり植物性の油が基本的に良いと言われていますけども。そういった、何て言うんですか、油とか・・。
Dr.大友
油の種類?
Dr.小池
油の種類とか。あと野菜の摂取とかそういったものが非常に前立腺がんの予防にいいんじゃないかという風に言われていますので、ライフスタイルの食事の変化ってあるのかも知れません。
Dr.大友
その辺は今日少し詳しくお伺いしたいと思うんですが、それ以外のライフスタイルというのは運動だったりとか?喫煙とかあると思うんですが。そういうのはどうですか。
Dr.小池
やはり適度な運動というものが前立腺がんに限ったことではないかもしれませんが重要になってくると思います。そういったものがちょっと最近減ってきている、というのはあるのかもしれませんね。
Dr.大友
まあね。僕も外来していると適度な運動ってすごい使いやすい言葉なんですけれども。
Dr.小池
そうですね。はい。
Dr.大友
ちなみに適度な運動ってどんな感じ?先生は普段外来でどんな風にお伝えするんですか。
Dr.小池
激しい運動ではなくて、毎日30分程度の散歩くらいでも十分適度な運動となりますので。
Dr.大友
なるほど。
Dr.小池
はい。そう言った程度の運動でも十分効果があると私はいつも外来でご説明していますね。
Dr.大友
毎日30分、比較的前立腺がんは高齢者に多いから毎日30分歩くのは結構大変ですよね。
Dr.小池
大変だと思います。
Dr.大友
なるほど。そういった適切な運動がやっぱり重要だと。
Dr.小池
重要だと思いますね。
Dr.大友
なるほど。
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。
小池祐介 JR東京総合病院泌尿器科部長
日本泌尿器科学会専門医指導医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本排尿機能学会認定医、がん治療認定医、日本臨床腎移植学会腎移植認定医
趣味は90年代洋楽ロック鑑賞となかなか上手くならないゴルフ